115C079|第115回 歯科医師国家試験 過去問
2か月の男児。上顎歯肉の腫瘤を主訴として来院した。出生時には気付かなかっ たが、最近になって気付いたという。哺乳状態は良好で、成長発育に異常を認めな い。初診時の口腔内写真 (別冊No. 31 )を別に示す。 保護者への説明で正しいのはどれか。 1つ選べ。

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正解: b
正答
b
この問題のポイント
乳児の歯槽堤にみられる白色〜黄白色の小結節で、哺乳障害や全身異常がありません。これは新生児・乳児の歯肉嚢胞に相当し、多くは数か月以内に自然消失します。
解説
写真では、上顎歯槽堤に複数の小さな白色結節を認めます。新生児・乳児の歯肉嚢胞は、歯堤などの上皮遺残に由来し、内部に角化物を含む小嚢胞です。
類似病変として、口蓋正中部のEpstein真珠、硬口蓋・軟口蓋境界付近のBohn結節などがあります。いずれも新生児期から乳児期にみられる良性・一過性の病変で、上皮が破れて角化物が排出されることで自然に消失します。
哺乳が良好で、炎症所見や急速な増大がなければ、切開、抗菌薬投与、摘出などは必要ありません。保護者へ病変の性質と自然経過を説明し、通常の乳児健診で経過を確認します。
画像の確認
実画像では、生後2か月児の上顎歯槽堤に小さな白色〜黄白色の丸い結節が複数みられ、周囲粘膜に強い炎症はない。この外観は自然消退を待つ歯肉嚢胞に合い、経過観察を選ぶ正答bを支える。
選択肢の確認
a.「口内炎のようなものです」
誤り。
口内炎は潰瘍やびらんを主体とする炎症性病変です。本症例は角化物を含む小嚢胞性結節であり、病態が異なります。
b.「数か月以内に自然に消えます」
正しい。
新生児・乳児の歯肉嚢胞は多くが自然に破れて消失します。哺乳障害などがなければ経過観察で対応します。
c.「歯ぐきの傷が治ったものです」
誤り。
外傷後の瘢痕ではなく、発生過程で残った上皮組織に由来する小嚢胞です。
d.「細菌が感染して起こっています」
誤り。
感染性膿瘍ではありません。通常は発赤、疼痛、排膿を伴わず、抗菌薬も必要ありません。
e.「乳歯が生えるのが遅くなります」
誤り。
一般に乳歯の形成・萌出へ影響せず、自然消失します。
覚えるポイント
- 乳児の歯槽堤の白色小結節は歯肉嚢胞を考えます。
- 多くは治療不要で、数か月以内に自然消失します。
- 感染性病変や口内炎ではありません。