118B027|第118回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床小児歯科学
10 歳の男児。上顎前歯部の疼痛を主訴として来院した。1 時間前に転倒し顔面 を強打したという。1 の動揺度は1 度で軽度の打診痛を認める。初診時の口腔内 写真(別冊No. 4A、B)とエックス線画像(別冊No. 4C)を別に示す。 適切な処置はどれか。1 つ選べ。

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正解: b
正答
b
この問題のポイント
外傷歯の処置は、歯冠破折、歯髄露出、脱臼、歯根破折の有無を画像と臨床所見から判定します。
解説
本症例は受傷直後で、動揺度は1度、打診痛は軽度です。画像で歯冠破折が歯質に限局し、歯髄露出や整復を要する転位がないことを確認できれば、失われた歯冠形態をコンポジットレジンで修復します。
外傷直後の歯髄生活反応は一時的に低下することがあるため、経過観察で歯髄反応、変色、根尖病変を確認します。
画像の確認
実画像では、上顎右側中切歯の切縁が斜めに破折して象牙質が露出しているが、明瞭な露髄はない。X線像でも歯根破折を示さず、欠損部をコンポジットレジンで修復する正答bに対応する。
選択肢の確認
a.整復固定
誤り。
整復固定は歯の転位を伴う脱臼や歯根破折などで検討します。本症例では、整復を要する歯の転位を示す情報がなく、第一選択ではありません。
b.コンポジットレジン修復
正答。最も適切です。
保存可能な歯冠破折部をコンポジットレジンで修復し、形態と審美性を回復します。
c.直接覆髄
誤り。
直接覆髄は小さな歯髄露出があり、歯髄保存の適応がある場合に行います。本症例では歯髄露出を前提とする処置は選びません。
d.生活歯髄切断
誤り。
生活歯髄切断は歯髄露出があり、根未完成歯などで根部歯髄を保存する場合に検討します。本症例の第一選択ではありません。
e.抜 歯
誤り。
抜歯は保存不能な重度破折や重篤な歯周組織損傷などで検討します。10歳の永久前歯は可能な限り保存します。
覚えるポイント
- 外傷歯では破折と脱臼を分けて評価します。
- 歯髄露出の有無で修復、覆髄、断髄の適応が変わります。
- 根未完成永久歯では歯髄保存を特に重視します。