31PM061|第31回 歯科衛生士国家試験 過去問
15歳の男子。上顎の歯肉が腫れていることを主訴として来院した。脳性麻痺とてんかんの既往があり、以前から気になっていたという。初診時の口腔内写真(別冊午後 No.25)を別に示す。 歯肉腫脹の原因と考えられるのはどれか。2つ選べ。

2つ選択
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正解: b・c
正答
b:口呼吸、c:常用薬
この問題のポイント
写真は上顎前歯部を中心とする著明な歯肉増大・炎症です。てんかん治療薬と、上顎前歯部を乾燥させる口呼吸の双方を原因として考えます。
解説
てんかん治療に用いられるフェニトインは、歯肉線維芽細胞や細胞外基質代謝へ影響し、プラーク炎症が加わると線維性の薬物性歯肉増殖を生じやすくなります。また脳性麻痺では口唇閉鎖不全などから口呼吸を伴うことがあり、上顎前歯部歯肉が乾燥して唾液の自浄作用が低下し、プラーク停滞と炎症性腫脹が増悪します。写真の前歯部優位の赤い増大は両因子の併存と整合します。
選択肢の確認
- a 流涎:唾液が口外へ流れる所見で、口腔運動機能低下の評価対象ですが、線維性歯肉増殖を直接起こす原因ではありません。
- b 口呼吸:露出する上顎前歯部を乾燥させ、プラーク付着と慢性炎症を促して歯肉腫脹に関与します。
- c 常用薬:抗てんかん薬フェニトインなどは薬物性歯肉増殖を起こし得るため、薬剤名・用量・服用期間を確認します。
- d ブラキシズム:咬耗、歯の動揺、咀嚼筋疲労などに関係しますが、写真の歯肉増大の直接原因ではありません。
覚えるポイント
フェニトイン+プラーク=薬物性歯肉増殖、口呼吸=上顎前歯部の乾燥性炎症。服薬歴と呼吸様式を同時に評価します。