32PM061|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
8 歳の男児。保護者がうまく歯磨きできないことを主訴として来院した。 重度脳性麻痺を有する。口腔内診査の結果、臼歯部咬合面にう蝕の多発が認められた。 原因と考えられるのはどれか。1 つ選べ。
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正解: c
正答
c:咬反射の残存
この問題のポイント
重度脳性麻痺では原始反射が残存し、口腔内へ歯ブラシを入れると不随意に強く咬み込むことがあります。臼歯咬合面へ器具を届かせにくくなるため、介助磨きが困難になります。
解説
咬反射は口唇・歯肉・歯への刺激で顎を強く閉じる反応です。発達とともに統合されるはずの反射が重度脳性麻痺で残ると、保護者が歯ブラシを臼歯部へ挿入した際に毛先や柄を咬み込み、咬合面裂溝の清掃を続けられません。プラークが停滞しやすい深い裂溝へ糖質摂取が重なると、多発性咬合面う蝕につながります。バイトブロック等で安全に開口を確保し、短時間の介助磨き、フッ化物配合歯磨剤やシーラントを組み合わせます。
選択肢の確認
- a 口呼吸:口腔乾燥や上顎前歯部の歯肉炎を助長しますが、介助者が臼歯咬合面を磨けない直接原因を説明しません。
- b 舌突出嚥下:嚥下時の舌突出は前歯部開咬などの不正咬合と関係しますが、臼歯部で歯ブラシを咬み込む反応ではありません。
- c 咬反射の残存:口腔内刺激で顎が反射的に閉じるため、臼歯咬合面へのブラシ挿入と清掃が妨げられます。
- d 象牙質形成不全:象牙質形成不全症なら全歯に色調・形態・摩耗などの形成異常が現れ、介助磨き困難だけを原因とする所見ではありません。
覚えるポイント
脳性麻痺の口腔管理では、姿勢・異常筋緊張・咬反射・嚥下を事前評価します。開口保持器具は軟組織や歯を傷つけない位置に置き、保護者の指を咬合面間へ入れないことが重要です。