32AM107|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
7歳の男児。口から食べ物がこぼれることを主訴として来院した。 脳性麻痺と診断されており、食事中にむせがあるという。摂食嚥下指導で保護者に食事介助の方法を指導した。 指導時の写真(別冊午前No.46)を別に示す。 この介助の目的はどれか。1つ選べ。

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正解: b
正答
b:顎位の安定
この問題のポイント
写真では介助者の手が下顎を下方から包み、食物を口へ運ぶ間の顎の位置を保持している。脳性麻痺児の不随意運動を抑え、口唇閉鎖と食物取り込みを助ける顎コントロールである。
解説
顎コントロールでは、母指や示指をオトガイ・下唇付近、他の指を下顎骨下縁へ置き、頭頸部と下顎を過伸展させず安定させる。写真のようにスプーンを下唇へ水平に運び、顎位を保持すると、口唇で食物を取り込み、舌・顎を協調させやすい。顎を強く閉じたりスプーンを上顎歯へこすり付けず、嚥下を確認して次の一口へ進む。姿勢保持と一口量調整も同時に行う。
選択肢の確認
- a 舌の挙上:手は舌へ直接触れておらず、舌背を口蓋へ持ち上げる訓練を示す操作ではない。
- b 顎位の安定:下顎を手で支持して不随意な開閉や側方偏位を抑え、食物取り込みに必要な位置を保っている。
- c 誤嚥の防止:安定姿勢は安全性へ寄与するが、この手技単独で咽頭期の気道閉鎖を保証する直接的誤嚥防止法ではない。
- d 咀嚼力の増強:外部から顎を支える介助であり、抵抗運動によって咀嚼筋力を高める筋力訓練ではない。
覚えるポイント
顎コントロールは食事介助中の下顎安定が目的。頭頸部姿勢、下唇へのスプーン提示、一口ごとの嚥下確認と組み合わせる。