32AM062|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
9歳の男児。口腔清掃指導を希望して来院した。重度脳性麻痺で、歯口清掃は保護者が行っている。指導前の口腔内写真(別冊午前No.22)を別に示す。保護者に説明する事項はどれか。 2つ選べ。

2つ選択
解答・解説を見る
正解: a・c
正答
a:歯肉出血があります。、c:舌突出による歯列不正がみられます。
この問題のポイント
写真では前歯部歯肉が赤く腫れ、上顎前歯の歯頸部に炎症が目立つ。また上下前歯は接触せず大きく開咬し、その空隙へ舌が突出している。
解説
脳性麻痺では姿勢保持や随意運動が難しく、本人だけで十分に磨くことが困難な場合がある。写真の辺縁歯肉は発赤・腫脹しており、プラークによる炎症性変化からブラッシング時の出血が予想される。保護者には出血を恐れて清掃を中止せず、安定した体位で小さなヘッドの歯ブラシを歯頸部へ当てる方法を伝える。舌突出や口腔周囲筋の不調和は前歯部開咬を維持・増悪させ得るため、歯列と摂食機能を継続評価する。
選択肢の確認
- a 歯肉出血があります。:上顎前歯部を中心に歯肉の赤みと腫脹が認められ、炎症部は軽い機械刺激でも出血しやすい。
- b 成長に伴い前歯は噛み合ってきます。:舌突出などの機能的要因が持続すれば開咬は自然に改善するとは限らず、成長だけで閉鎖すると断言できない。
- c 舌突出による歯列不正がみられます。:上下前歯間に開咬があり、その空隙へ舌が位置する写真所見は、舌圧と歯列不正の関連を示す。
- d 歯の根元までしっかり磨けています。:歯頸部にプラーク性炎症が残っており、根元まで清掃が十分であるという評価とは矛盾する。
覚えるポイント
脳性麻痺児の口腔支援では、運動障害に合わせた介助清掃と安全な体位、舌突出・開咬など口腔機能の評価を組み合わせる。赤い腫脹歯肉は出血を伴いやすい。