第32回

32AM063|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問

38歳の男性。歯肉の着色を主訴として来院した。痛みなどの症状はないという。初診時の口腔内写真(別冊午前No.23)を別に示す。 主訴の原因となる生活習慣はどれか。1つ選べ。

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正解a

正答

a:喫煙

この問題のポイント

写真では下顎前歯部を中心に、歯肉へ左右性の褐色から黒褐色のメラニン色素沈着がみられる。後天的な生活習慣では喫煙との関連が強い所見である。

解説

タバコ煙の化学刺激は口腔粘膜のメラノサイトを活性化し、メラニン産生を増加させる。smoker's melanosisは前歯部の唇側歯肉、とくに下顎に褐色斑として現れやすい。生理的色素沈着も鑑別に挙がるため、喫煙開始時期、量、着色の変化を確認する。禁煙後は時間をかけて色調が薄くなることがある。なお喫煙は色素沈着だけでなく歯周病の重要な危険因子で、血管収縮により歯肉出血が目立ちにくくても組織破壊が進むことがある。

選択肢の確認

  • a 喫煙:煙の刺激によるメラニン産生亢進で、写真のような前歯部歯肉の褐色斑を生じるsmoker's melanosisと関連する。
  • b 偏食:特定栄養素の欠乏で粘膜炎や舌炎を生じることはあるが、この分布の歯肉メラニン沈着を直接起こす習慣ではない。
  • c 過度の飲酒:口腔粘膜への刺激や口腔癌リスクを高めるが、下顎前歯歯肉に限局する黒褐色色素斑の典型的原因ではない。
  • d 甘味食品の摂取:う蝕原性細菌の酸産生と脱灰を促す生活習慣であり、歯肉内のメラニン量を増やす作用はない。

覚えるポイント

smoker's melanosisは喫煙者の前歯部唇側歯肉にみる褐色色素沈着。喫煙では歯肉出血が乏しく見えても歯周組織への危険が小さいとは限らない。

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