32AM057|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
6歳の女児。定期学校歯科健康診断で歯の形態異常を指摘され来院した。 矢印で示す形態異常について保護者から今後の注意事項を聞かれた。 初診時の口腔内写真(別冊午前No.19) を別に示す。 説明するのはどれか。2 つ選べ。

2つ選択
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正解: a・c
正答
a:う蝕、c:交換期障害
この問題のポイント
矢印部は下顎乳前歯の癒合歯で、幅広い歯冠中央に癒合溝がみえる。この溝にはプラークが停滞しやすく、複雑な歯根形態は後継永久歯の萌出にも影響し得る。
解説
癒合歯は隣接する二つの歯胚が発育中に結合した形態異常で、通常は歯数が一歯少なく数えられる。写真では矢印の乳歯が近遠心的に大きく、歯冠に縦の溝を伴う。溝が深い場合は清掃が難しく、う蝕予防のための丁寧な清掃、フッ化物応用、必要に応じた予防填塞が重要である。また歯根の癒合や後継永久歯の先天欠如・位置異常を伴うことがあり、乳歯の吸収・脱落時期と永久歯萌出をエックス線で追跡する。
選択肢の確認
- a う蝕:癒合境界の発育溝は狭く深いため、食物残渣とプラークが残りやすく、平滑な歯面よりう蝕感受性が高い。
- b 歯周炎:6歳児の癒合歯に固有の代表的合併症ではない。歯周組織炎症より、まず歯冠溝のう蝕管理が優先される。
- c 交換期障害:複雑な乳歯根の吸収遅延や後継永久歯の欠如・萌出方向異常により、正常な歯の交換が乱れる可能性がある。
- d 歯冠の変色:外傷による歯髄壊死や形成期の色素取り込みで生じる所見であり、癒合という形態異常から必然的に起こるものではない。
覚えるポイント
乳歯の癒合歯では「溝のう蝕」と「後継永久歯を含む交換障害」を長期管理する。歯冠幅、歯数、中央溝を観察し、必要なら画像で歯根と後継歯を確認する。