32AM056|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
1 歳の女児。萌出した歯の後方部分が腫れているため、精査を希望して来院した。 萌出性嚢胞と診断された。口腔内写真(別冊午前No.18) を別に示す。 主訴の部位に関する説明で正しいのはどれか。1 つ選べ。

解答・解説を見る
正解: c
正答
c:乳歯の奥歯が生えてくるので様子をみましょう。
この問題のポイント
写真は未萌出の乳臼歯を覆う歯肉に、青紫色で半球状の膨隆がある。萌出性嚢胞は歯冠と退縮エナメル上皮の間に液体がたまったもので、多くは萌出に伴い自然に消退する。
解説
萌出性嚢胞は萌出直前の歯の歯冠上に生じる軟組織性嚢胞で、内出血を伴うと青紫色の萌出性血腫として見える。1歳という年齢と上顎乳臼歯部の位置、写真の透けるような膨隆は診断に一致する。通常は歯が粘膜を破って萌出すると内容液が排出されるため、疼痛、感染、萌出障害がなければ経過観察とする。長く萌出を妨げる場合には開窓を検討するが、膿瘍として抗菌薬を投与する病変ではない。
選択肢の確認
- a 唾液がたまってしまっています。:唾液の流出障害による粘液嚢胞は下唇や口底に多く、萌出予定歯の歯冠直上という位置を説明できない。
- b 膿がたまっているのがみえますね。:歯性感染による膿瘍なら発赤、圧痛、排膿などを伴うが、写真の青紫色膨隆は血液を含む嚢胞内容を反映する。
- c 乳歯の奥歯が生えてくるので様子をみましょう。:萌出性嚢胞は歯の萌出で自然に開放されることが多く、無症状なら保護者へ経過を説明して観察する。
- d 歯をつくったなごりのかたいものが残っていますね。:歯堤遺残由来の上皮真珠は新生児歯肉にみる小さな白色硬結で、青紫色の大きな膨隆とは異なる。
覚えるポイント
萌出性嚢胞は萌出歯の真上にできる青色・紫色の軟らかい膨隆。無症状なら観察し、上皮真珠の白い小結節や感染性膿瘍と区別する。