33PM061|第33回 歯科衛生士国家試験 過去問
8歳の女児。口腔内の精査依頼で児童相談所の相談員と来院した。肢体不自由があり、母親からネグレクトされていて身体発達の重度の遅れが認められる。初診時の口腔内写真を別に示す。観察できるのはどれか。1つ選べ。

解答・解説を見る
正解: d
正答
d:多量の歯石沈着
この問題のポイント
写真では歯頸部を中心に広範な黄白色の硬い沈着物がみられ、長期間の口腔清掃不足による多量の歯石と判断します。ネグレクトを示唆する口腔所見の一つです。
解説
歯石はプラークが唾液・歯肉溝滲出液中のカルシウムとリン酸で石灰化した沈着物で、時間が経つと歯面へ強固に付着します。自力清掃が難しい肢体不自由児では介助者による清掃が必要であり、それが長期に提供されないと年齢に比して著しい歯石沈着や歯肉炎が生じます。写真では歯冠破折線、明らかな粘膜裂傷、多数の崩壊う蝕よりも、歯列全体の歯頸部沈着が目立ちます。所見は客観的に記録し、児童相談所と安全・養育支援を連携します。
選択肢の確認
- a 歯の破折:歯冠の連続性が失われた明瞭な破折面・新鮮な露髄などは、写真から主要所見として確認できません。
- b 多数歯う蝕:多数歯に及ぶ明らかなう窩・歯冠崩壊はみられず、白色歯面上の沈着物が主に観察されます。
- c 口腔粘膜外傷:口唇・頰粘膜・舌に裂創、血腫、潰瘍などの外傷性病変は写真上目立ちません。
- d 多量の歯石沈着:多数歯の歯頸部へ黄白色の石灰化沈着物が厚く付着しており、清掃不足の蓄積を示します。
覚えるポイント
虐待・ネグレクトの評価では、外傷だけでなく多量のプラーク・歯石、未処置う蝕、受診中断も確認します。一所見で断定せず、多職種で安全を評価します。