32PM063|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
フッ化物によるう蝕予防機序を図に示す。 ①はどれか。1 つ選べ。

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正解: b
正答
b:酸産生の抑制
この問題のポイント
図の下段は、口腔内プラークへ作用したフッ化物が細菌の酵素作用を抑え、その結果①を介してう蝕を予防する流れです。解糖系が抑制されるため、乳酸などの酸産生が減少します。
解説
低濃度のフッ化物は歯垢中へ取り込まれ、酸性環境で細菌内に移行してエノラーゼなど解糖系酵素の働きを阻害します。その結果、糖から乳酸を作る代謝が低下し、プラークpHの下降が緩やかになります。図の①はこの「酸産生の抑制」です。歯質側では、結晶性の改善、フルオロアパタイト様結晶の形成、脱灰初期の再石灰化促進を通じて耐酸性が高まります。細菌を機械的に壊したり、プラークそのものを溶解除去したりする作用ではありません。
選択肢の確認
- a 細胞壁の破壊:フッ化物の主要なう蝕予防作用は細菌壁を破裂させる殺菌ではなく、細菌酵素と代謝の抑制です。
- b 酸産生の抑制:解糖系酵素が阻害されることで糖から作られる有機酸が減り、エナメル質の脱灰が起こりにくくなります。
- c 歯石形成の阻害:歯石はプラークの石灰化で生じますが、図の細菌酵素抑制から直接導かれる作用ではありません。
- d プラークの分解:フッ化物は付着済みプラークを分解して除去しないため、歯磨きによる機械的清掃は別に必要です。
覚えるポイント
フッ化物の三本柱は「再石灰化促進・歯質耐酸性向上・細菌の酸産生抑制」です。フッ化物を使ってもプラークコントロールと糖摂取回数の管理は省略できません。