33AM041|第33回 歯科衛生士国家試験 過去問
38歳の女性。ブラッシング時の下顎前歯部歯肉の疼痛を主訴として来院した。歯ブラシや歯間ブラシが歯肉にあたるとヒリヒリして傷み、容易に出血することを繰り返すという。両側臼歯部の歯肉頬移行部にも同様に痛みが生じることもあるという。慢性剥離性歯肉炎と診断された。初診時の口腔内写真を別に示す。関連するのはどれか。1つ選べ。

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正解: b
正答
b:上皮の脆弱性
この問題のポイント
写真の鮮紅色で光沢のある剥離性歯肉病変と、軽い機械刺激で疼痛・剥離・出血を繰り返す病歴から、上皮と上皮下組織の接合が弱い状態を考えます。
解説
慢性剥離性歯肉炎は単一の病名ではなく、扁平苔癬、粘膜類天疱瘡、尋常性天疱瘡などに伴って、辺縁歯肉から付着歯肉に強い発赤、びらん、上皮剥離がみられる臨床像です。上皮内または上皮下の接着機構が障害され、歯ブラシが当たる程度でも上皮が剥がれてヒリヒリした痛みや出血を生じます。必要に応じて生検と蛍光抗体法などで基礎疾患を診断します。
選択肢の確認
- a 降圧剤の服用:一部のカルシウム拮抗薬は歯肉増殖を生じ得ますが、軽い接触で上皮が剥離する本例の主病態と異なります。
- b 上皮の脆弱性:上皮接着が弱く、歯ブラシなどの刺激でびらん・疼痛・出血を起こす病像を直接説明します。
- c 免疫機能の低下:易感染性の原因になりますが、本例の自己免疫性機序と「免疫機能全体の低下」は同義ではありません。
- d オキシトシンの変動:オキシトシンは子宮収縮や乳汁射出に関係するホルモンで、歯肉上皮剥離の直接原因ではありません。
覚えるポイント
慢性剥離性歯肉炎をみたら、局所のプラーク性歯肉炎だけではなく、扁平苔癬・類天疱瘡・天疱瘡などの粘膜疾患を考え、皮膚や他の粘膜の症状も確認します。