33AM108|第33回 歯科衛生士国家試験 過去問
55歳の男性。定期歯科健康診査のため来院した。その後、飲み込みづらさと話しづらさを訴えたので、口腔内観察を行った。舌の写真を別に示す。これらの症状を特徴とするのはどれか。1つ選べ。

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正解: d
正答
d:筋萎縮性側索硬化症
この問題のポイント
写真では舌の萎縮、凹凸、偏位を伴う運動障害が読み取れます。舌筋を支配する運動ニューロンが障害され、構音・食塊移送・嚥下が難しくなる筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉が合致します。
解説
ALSは上位・下位運動ニューロンが進行性に変性する疾患です。球症状が現れると、舌の萎縮や線維束性収縮、舌運動低下、構音障害、咀嚼・嚥下障害、唾液処理困難を生じます。写真の舌は左右差と表面の不規則な萎縮を示し、「話しづらい」「飲み込みづらい」という運動機能低下に対応します。呼吸筋障害も進むため、食形態、姿勢、コミュニケーション手段を多職種で早期から検討します。感覚は比較的保たれる点も特徴です。
選択肢の確認
- a Sjögren症候群:唾液腺・涙腺の自己免疫性障害で口腔乾燥を生じますが、舌筋の進行性萎縮と運動麻痺が中心ではありません。
- b 再生不良性貧血:汎血球減少により粘膜蒼白、出血、感染が起こり得ますが、舌の偏位・萎縮を伴う構音嚥下障害を説明しません。
- c 慢性関節リウマチ:多関節の滑膜炎や変形を主徴とし、顎関節症状はあり得ても舌の下位運動ニューロン徴候を起こしません。
- d 筋萎縮性側索硬化症:舌筋の萎縮・線維束性収縮を伴う球麻痺により、構音障害と摂食嚥下障害が進行します。
覚えるポイント
「舌萎縮・線維束性収縮+構音障害+嚥下障害」はALSの球症状を考えます。栄養、誤嚥、呼吸、意思伝達を並行して評価します。