33PM104|第33回 歯科衛生士国家試験 過去問
妊娠37週の妊婦。定期歯科健康診査を希望して来院した。検査の結果スケーリングを行うことになった。仰臥位性低血圧症候群の発現のリスクを低減するための姿勢の写真を別に示す。この体位で圧迫を防ぐ器官はどれか。1つ選べ。

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正解: d
正答
d:下大静脈
この問題のポイント
妊娠後期に仰臥位を続けると、増大した子宮が脊柱右側を走る下大静脈を圧迫します。写真の左側へ傾けた体位は子宮を右後方の血管からずらし、静脈還流を保ちます。
解説
仰臥位性低血圧症候群は、妊娠後期の大きな子宮が仰臥位で下大静脈を圧迫し、下肢から心臓へ戻る静脈血を減少させることで起こります。心拍出量が低下すると、血圧低下、顔面蒼白、冷汗、悪心、頻脈、意識不良などが現れ、子宮胎盤血流も低下します。下大静脈は脊柱の右側に位置するため、写真のように妊婦の左腰背部を下にする左側臥位・左側傾斜位にすると、子宮が左へ移って圧迫が解除されます。歯科治療中に症状が出た場合も処置を中止し、左側へ傾け、酸素投与やバイタル評価を行います。
選択肢の確認
- a 子宮:体位によって移動させる圧迫側の構造であり、この処置が圧迫から保護しようとする血管ではありません。
- b 腎臓:後腹膜にある臓器ですが、仰臥位性低血圧の主因は腎圧迫ではなく静脈還流の低下です。
- c 大動脈:子宮による圧迫を受けることはありますが、症候群の中心機序は壁の薄い下大静脈の閉塞です。
- d 下大静脈:右後方を走るため増大子宮に圧迫されやすく、左側傾斜位によって圧迫と静脈還流低下を防ぎます。
覚えるポイント
妊娠後期の歯科治療は完全な仰臥位を避け、右腰部に枕を入れるなどして左へ15度程度傾けます。冷汗・悪心・血圧低下が出たら左側臥位へ変更します。