Y2022M04E2Q4|第2022年4月公表(第二種) 第一種・第二種衛生管理者免許試験 過去問
労働安全衛生規則に基づく医師による雇入時の健康診断に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、雇入時健康診断について、次の事項が問われています。
- 他の健康診断結果を利用できる条件
- 検査項目を省略できるか
- 異常所見者についての医師の意見聴取
- 健康診断個人票の保存期間
- 労働基準監督署長への報告
雇入時健康診断では、定期健康診断とは異なり、年齢と医師の判断によって血液検査などを省略する制度はありません。
解説
雇入時健康診断は、常時使用する労働者を雇い入れるときに実施します。
目的は、労働者の健康状態を把握し、入社後の適正配置や健康管理に役立てることです。
直前の健康診断結果を利用できる場合
雇入れ前3か月以内に医師による健康診断を受け、その結果を証明する書面を提出した場合は、その健康診断で実施済みの項目に相当する項目を省略できます。
これは、医師が不要と判断して省略する制度ではなく、直前に同じ検査を受けているため重複を避ける制度です。
雇入時健康診断の項目
主な項目には、次のものがあります。
- 既往歴及び業務歴の調査
- 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
- 身長、体重、腹囲、視力及び聴力
- 胸部エックス線検査
- 血圧測定
- 貧血検査
- 肝機能検査
- 血中脂質検査
- 血糖検査
- 尿検査
- 心電図検査
雇入時健康診断では、40歳未満であることを理由として、貧血検査や肝機能検査などを医師の判断で省略することはできません。
健康診断後の措置
異常所見がある労働者については、健康診断実施日から3か月以内に、就業上の措置について医師の意見を聴きます。
必要に応じて、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮などを検討します。
健康診断個人票は5年間保存します。
なお、雇入時健康診断の結果は、常時50人以上の事業場でも所轄労働基準監督署長への報告対象ではありません。
健康管理のポイント
衛生管理者は、健康診断結果を独自に診断するのではなく、異常所見者について産業医の意見を聴き、就業上の措置や職場環境改善につなげます。
選択肢の確認
1.医師による健康診断を受けた後 3か月を経過しない者を雇い入れる場合、その健康診断の結果を証明する書面の提出があったときは、その健康診断の項目に相当する雇入時の健康診断の項目は省略することができる。
記述としては正しい。
雇入れ前3か月以内の健康診断結果を証明する書面が提出された場合は、実施済みの検査に相当する項目を省略できます。
2.雇入時の健康診断では、40歳未満の者について医師が必要でないと認めるときは、貧血検査、肝機能検査等一定の検査項目を省略することができる。
正答。記述としては誤り。
雇入時健康診断では、40歳未満であることを理由として、貧血検査、肝機能検査などを医師の判断で省略できません。定期健康診断の省略基準と混同しないことが重要です。
3.事業場において実施した雇入時の健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者については、その結果に基づき、健康を保持するために必要な措置について、健康診断が行われた日から 3か月以内に、医師の意見を聴かなければならない。
記述としては正しい。
異常所見がある労働者については、健康診断実施日から3か月以内に、必要な就業上の措置について医師の意見を聴きます。
4.雇入時の健康診断の結果に基づき、健康診断個人票を作成して、これを 5年間保存しなければならない。
記述としては正しい。
事業者は健康診断個人票を作成し、5年間保存しなければなりません。個人情報であるため、適切な管理も必要です。
5.常時 50人以上の労働者を使用する事業場であっても、雇入時の健康診断の結果については、所轄労働基準監督署長に報告する必要はない。
記述としては正しい。
所轄労働基準監督署長への定期健康診断結果報告は必要ですが、雇入時健康診断の結果については報告義務がありません。
覚えるポイント
- 雇入れ前3か月以内の健診証明書があれば、対応する項目を省略できる。
- 雇入時健康診断では、年齢による血液検査等の省略はできない。
- 異常所見者については、健診日から3か月以内に医師の意見を聴く。
- 健康診断個人票は5年間保存する。
- 雇入時健康診断の結果は、所轄労働基準監督署長への報告対象ではない。