Y2023M04E2Q21|第2023年4月公表(第二種) 第一種・第二種衛生管理者免許試験 過去問
呼吸に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
この問題のポイント
呼吸運動を起こす組織、外呼吸と内呼吸、通常の呼吸数、異常呼吸、呼吸中枢を刺激する血液中の変化を区別します。
成人の安静時の呼吸数は、試験上、通常1分間に16~20回とされ、食事、入浴、発熱などで増加するため、3が正しい記述です。
解説
肺には、自ら能動的に膨らんだり縮んだりする筋肉がありません。主に横隔膜と肋間筋という呼吸筋が胸郭を動かし、胸腔内圧を変化させることで、肺が受動的に伸縮します。胸膜は肺や胸壁を覆う膜であり、胸膜自体が運動の原動力になるわけではありません。
肺胞内の空気と肺毛細血管の血液との間で行われるガス交換を外呼吸といいます。血液と全身の組織細胞との間で行われるガス交換が内呼吸です。
成人の安静時の呼吸数は、試験上、通常1分間に16~20回です。食事や入浴、運動、発熱などで代謝や体温が上昇すると、酸素需要や二酸化炭素の排出量が増えるため、呼吸数も増加します。
チェーンストークス呼吸は、呼吸が徐々に深くなった後に徐々に浅くなり、無呼吸期を挟んでこの周期を繰り返す異常呼吸です。単に肺機能低下によって呼吸数が増えた状態ではありません。
身体活動時には、代謝で生じる二酸化炭素が増え、血液中の二酸化炭素分圧や水素イオン濃度などの変化が呼吸中枢を刺激します。その結果、1回換気量と呼吸数が増加します。窒素分圧の上昇が主な刺激ではありません。
ひっかけポイント
胸膜は肺の動きに伴って移動しますが、呼吸運動を生み出すのは横隔膜や肋間筋です。また、肺胞と血液のガス交換は外呼吸であり、内呼吸ではありません。
衛生管理者としての実務ポイント
呼吸の観察では、回数だけでなく、深さ、規則性、努力性呼吸、顔色、反応の有無も確認します。突然の呼吸困難、意識障害、異常な呼吸がみられる場合は、診断しようとせず、直ちに救急要請やAEDの手配など必要な対応につなげます。
選択肢の確認
1.呼吸は、胸膜が運動することで胸腔内の圧力を変化させ、肺を受動的に伸縮させることにより行われる。
誤り。
胸腔内圧を変化させる主な原動力は、横隔膜と肋間筋などの呼吸筋です。胸膜自体が能動的に運動するわけではありません。
2.肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管中の血液との間で行われるガス交換は、内呼吸である。
誤り。
肺胞内の空気と肺毛細血管の血液との間のガス交換は外呼吸です。内呼吸は、血液と組織細胞との間のガス交換です。
3.成人の呼吸数は、通常、1分間に 16~20回であるが、食事、入浴、発熱などによって増加する。
正しい。
成人の安静時呼吸数は、試験上、通常1分間に16~20回とされます。食事、入浴、発熱などで代謝や体温が上がると増加します。
4.チェーンストークス呼吸とは、肺機能の低下により呼吸数が増加した状態をいい、喫煙が原因となることが多い。
誤り。
チェーンストークス呼吸は、呼吸の深さが周期的に増減し、無呼吸期を挟む異常呼吸です。単なる呼吸数の増加を指すものではありません。
5.身体活動時には、血液中の窒素分圧の上昇により呼吸中枢が刺激され、1回換気量及び呼吸数が増加する。
誤り。
身体活動時に呼吸中枢を刺激する主な変化は、二酸化炭素分圧や水素イオン濃度の上昇などです。窒素分圧の上昇ではありません。
覚えるポイント
- 呼吸運動の主役は、横隔膜と肋間筋などの呼吸筋である。
- 肺胞と血液のガス交換は外呼吸、血液と組織のガス交換は内呼吸である。
- 成人の安静時呼吸数は、試験上、通常1分間に16~20回である。
- チェーンストークス呼吸では、呼吸の深さの増減と無呼吸を周期的に繰り返す。
- 身体活動時の換気増加には、二酸化炭素分圧などの変化が関係する。