Y2023M10E1Q14|第2023年10月公表(第一種) 第一種・第二種衛生管理者免許試験 過去問
化学物質による健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、一酸化炭素、弗化水素、シアン化水素、塩化ビニル及び塩素について、中毒機序と特徴的症状を対応させます。
シアン化水素は細胞呼吸を阻害し、細胞が酸素を利用できない状態を起こすため、呼吸困難やけいれんなどがみられます。
解説
化学物質中毒では、似た症状が現れることがあっても、障害が起こる仕組みや標的臓器が異なります。
一酸化炭素はヘモグロビンと強く結合し、酸素運搬を妨げて組織の低酸素状態を起こします。ヘモグロビン合成障害による貧血は、鉛などで問題となります。
弗化水素は皮膚・粘膜への強い腐食作用を持ち、慢性ばく露では骨硬化や斑状歯などの弗素症が問題となります。幻覚や錯乱を特徴とする物質ではありません。
シアン化水素は、細胞内のチトクロム酸化酵素などを阻害し、血液中に酸素があっても細胞が利用できない状態を起こします。急速に呼吸困難、けいれん、意識障害へ進むことがあります。
塩化ビニルの慢性ばく露では、肝血管肉腫、手指末節骨の溶解、レイノー現象などが重要です。慢性気管支炎や歯牙酸蝕症を代表的障害とするのは不適切です。
塩素は強い刺激性ガスで、眼・鼻・咽頭の刺激、咳、気管支炎、肺水腫などを起こします。再生不良性貧血や溶血などの造血障害を代表とする物質ではありません。
救急処置のポイント
有毒ガスが疑われる場所へ保護具なしで救助に入ってはいけません。安全確保、通報、設備停止、換気、専門救助を優先します。
化学物質管理のポイント
ガス検知、密閉化、局所排気、警報、緊急時対応、適切な呼吸用保護具を整備します。
選択肢の確認
1.一酸化炭素による中毒では、ヘモグロビン合成の障害による貧血、溶血などがみられる。
誤り。
一酸化炭素はヘモグロビンと強く結合して酸素運搬を妨げます。ヘモグロビン合成障害による貧血や溶血を主とする説明ではありません。
2.弗化水素による中毒では、脳神経細胞が侵され、幻覚、錯乱などの精神障害がみられる。
誤り。
弗化水素では強い腐食性障害や、慢性時の骨硬化・斑状歯などが問題になります。幻覚や錯乱を特徴とする説明は適切ではありません。
3.シアン化水素による中毒では、細胞内の酸素の利用の障害による呼吸困難、けいれんなどがみられる。
正しい。
シアン化水素は細胞内での酸素利用を阻害し、呼吸困難、けいれん、意識障害などを起こします。
4.塩化ビニルによる慢性中毒では、慢性気管支炎、歯牙酸蝕症などがみられる。
誤り。
塩化ビニルの慢性中毒では、肝血管肉腫、手指末節骨の溶解、レイノー現象などが重要です。
5.塩素による中毒では、再生不良性貧血、溶血などの造血機能の障害がみられる。
誤り。
塩素は眼や呼吸器への強い刺激を起こします。再生不良性貧血や溶血などの造血機能障害を代表とする物質ではありません。
覚えるポイント
- 一酸化炭素はヘモグロビンと結合し、酸素運搬を障害する。
- シアン化水素は細胞内での酸素利用を障害する。
- 弗化水素では腐食性障害、骨硬化、斑状歯が重要である。
- 塩化ビニルでは肝血管肉腫や手指末節骨の溶解が重要である。
- 塩素は強い呼吸器刺激性ガスである。