34PM104|第34回 柔道整復師国家試験 過去問
23歳の男性。スケートボードの練習中、右手で体重を支持するような動作をすると、手関節の尺側部に痛みを自覚したため来所した。半年前に右橈骨遠位端を骨折し、医科にて保存療法を受け、若干の背屈転位が残存するも治癒との診断を1か月前に受けた既往がある。握力の低下はなく、手部の筋萎縮や自発性感覚異常もみられない。考えられるのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 1
正答
1
この問題のポイント
この問題では、橈骨遠位端骨折後に生じた手関節尺側痛から、三角線維軟骨複合体損傷を考えます。
手関節尺側部痛では、TFCC損傷、尺骨突き上げ症候群、尺側手根伸筋腱障害などを鑑別します。
解説
三角線維軟骨複合体、TFCCは、尺骨頭と手根骨の間にある軟骨・靱帯複合体です。手関節尺側の安定性や荷重分散に重要です。
この症例では、過去に橈骨遠位端骨折があり、若干の背屈転位が残っています。橈骨遠位端の変形治癒により尺骨側への負荷が増えると、TFCCにストレスが加わりやすくなります。
スケートボードで手をついて体重支持したときの手関節尺側痛は、TFCC損傷を疑う典型的な状況です。握力低下、筋萎縮、自発性感覚異常がないため、神経障害は考えにくいです。
鑑別のポイント
手関節尺側痛では、TFCC損傷をまず考えます。回内・回外、尺屈、手関節への荷重で痛みが出るかを確認します。
選択肢の確認
1.三角線維軟骨複合体損傷
正しい。
橈骨遠位端骨折後の変形残存により尺側手関節への負荷が増え、TFCC損傷を生じることがあります。荷重時の尺側痛が重要です。
2.橈骨神経障害
誤り。
橈骨神経障害では下垂手、手背橈側の知覚障害、伸筋群の筋力低下などが問題になります。この症例では筋萎縮や自発性感覚異常がなく、尺側部痛が中心です。
3.反射性交感神経性ジストロフィー
誤り。
反射性交感神経性ジストロフィーでは、強い疼痛、腫脹、皮膚色調変化、発汗異常、関節拘縮などが問題になります。この症例の局所的な尺側痛とは合いにくいです。
4.月状骨軟化症
誤り。
月状骨軟化症はキーンベック病とも呼ばれ、月状骨の阻血性壊死です。手関節中央部の疼痛が中心で、橈骨遠位端骨折後の尺側痛としてはTFCC損傷が適切です。
覚えるポイント
- TFCC損傷では手関節尺側痛が重要。
- 橈骨遠位端骨折後の変形治癒で尺側負荷が増えることがある。
- 荷重、尺屈、前腕回旋で疼痛が誘発されやすい。
- 神経障害では筋力低下や感覚障害の有無を確認する。