113A23|第113回 医師国家試験 過去問

脳・精神・感覚器・皮膚耳鼻咽喉科頭頸部腫瘍

68歳の男性。嗄声を主訴に来院した。右声帯固定を伴う喉頭腫瘍が存在し、右頸部にリンパ節転移が認められた。生検の結果、扁平上皮癌と診断され、放射線治療、喉頭全摘術および右頸部郭清術を施行した。術後の頸部の写真を別に示す。 正しいのはどれか。

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正解: c

正答

c 入浴に制限がある。

この問題のポイント

喉頭全摘後は頸部の永久気管孔から直接呼吸します。入浴時に孔から水が入ると肺へ流入するため、湯の深さやシャワーの方向に制限があります。

解説

写真の頸部正中の孔は永久気管孔です。喉頭を摘出して気管を皮膚へ開口させるため、鼻・口と肺への空気の通り道はつながらなくなります。通常の声帯発声は失われ、食道発声、電気式人工喉頭、シャント発声などで音声を再獲得します。

鼻を通る気流が減ることで嗅覚が低下しますが、食道への通路は再建されるため、胃瘻が必須になるわけではありません。気道と食道が分離するので、合併症のない通常の状態では食物の誤嚥は起こりにくくなります。シャント部の漏れなど特殊な状況は別に評価します。

選択肢の確認

a 嗅覚障害はない。
誤り。鼻に空気が流れにくくなり、においを感じにくくなります。

b 発声は正常である。
誤り。声帯を失うため通常の発声はできず、代替発声の訓練・器具が必要です。

c 入浴に制限がある。
正しい。永久気管孔から水が入らないよう、入浴・洗髪時に工夫と制限が必要です。

d 胃瘻造設が必要である。
誤り。嚥下・経口摂取は可能となることが多く、胃瘻造設が一律に必要ではありません。

e 誤嚥性肺炎を起こしやすい。
誤り。通常は気道と食道が分離されて食物の誤嚥を防ぎます。瘻孔などの合併症がある場合は別です。

覚えるポイント

  • 喉頭全摘後の呼吸経路は永久気管孔です。
  • 発声・嗅覚・水の侵入への注意を、食道の通過機能と区別します。

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