113B44|第113回 医師国家試験 過去問

総合診療・救急・ケア救急・集中治療心肺蘇生・ACLS

次の文を読み、44、45の問いに答えよ。 67歳の男性。心停止の状態で救急車で搬入された。 現病歴:今朝6時頃、妻が寝室に起こしに行った際には返答があったが、1時間経っても起きて来なかった。再度呼びに行くと目を閉じたままで反応がないため、午前7時に救急車を要請した。5分後に救急隊が到着し、心停止と判断した。かかりつけ医には連絡せず、心肺蘇生を行いながら救命救急センターに搬送した。 救命救急センターでpulseless electrical activity〈PEA〉と判断し、心肺蘇生を継続した。研修医が胸骨圧迫を継続する傍ら、指導医が薬物投与のため静脈路の確保を行うこととした。 静脈路確保で第一選択となる部位はどこか。

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正解: e

正答

e 肘正中皮静脈

この問題のポイント

心肺蘇生中の薬剤投与には、迅速に確保でき、胸骨圧迫を妨げにくい上肢の末梢静脈路をまず選びます。選択肢では肘正中皮静脈です。

解説

心停止時は質の高い胸骨圧迫を継続し、必要な薬剤を遅れずに投与することが重要です。肘正中皮静脈は表在性で確保しやすく、中心静脈穿刺に伴う時間や気胸などの合併症も避けられます。PEAではアドレナリン投与と可逆的原因への対応を進めます。

末梢静脈路が速やかに取れない場合は骨髄路などを検討します。静脈路確保に固執して蘇生の主要処置を妨げないことが大切です。中心静脈路や下肢のルートが一切使えないという意味ではなく、初期の優先順位を問う問題です。

選択肢の確認

a 大腿静脈
誤り。必要時の選択肢にはなりますが、まず迅速で侵襲の少ない上肢末梢静脈路を試みます。

b 内頸静脈
誤り。中心静脈穿刺を優先して胸骨圧迫や薬剤投与を遅らせるべきではありません。

c 鎖骨下静脈
誤り。中心静脈穿刺には気胸などの合併症があり、蘇生開始時の第一選択ではありません。

d 大伏在静脈
誤り。下肢の表在静脈も利用可能ですが、提示された部位では上肢末梢静脈を優先します。

e 肘正中皮静脈
正しい。迅速に確保しやすい末梢静脈路で、胸骨圧迫を続けながら薬剤投与を進められます。

覚えるポイント

  • 心停止の血管確保は、蘇生を妨げず迅速に行います。
  • 末梢静脈路が困難なら、代替として骨髄路を検討します。

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