113D59|第113回 医師国家試験 過去問
48歳の女性。右眼で見ると電柱が曲がって見えることと視力低下を自覚したため来院した。視力右0.05(0.6×−2.0D)、左0.1(1.2×−2.75D)。右眼底写真を別に示す。 診断に有用な検査はどれか。

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正解: e
正答
e 光干渉断層計〈OCT〉
この問題のポイント
直線が曲がって見える変視症は黄斑部の形態異常を示唆する。眼底の黄斑周辺の皺から黄斑上膜を疑い、断層像で牽引を評価する。
解説
右は屈折矯正しても視力0.6で、左1.2と差があるため、近視だけでは説明できない。眼底では黄斑部の反射が変化し、周囲から中心へ向かうような細かな網膜の皺・ひだがみられる。黄斑上膜が収縮して網膜を接線方向に引っ張ると、視細胞の配列が乱れて変視症と視力低下を生じる。
光干渉断層計〈OCT〉では網膜表面の膜、中心窩の変形、網膜肥厚・牽引の程度などを非侵襲的に確認できる。黄斑円孔や硝子体黄斑牽引との鑑別にも有用である。眼底写真が平面的な表面観察であるのに対し、OCTは深さ方向の構造を示すため、この症状と所見を直接検証できる。
選択肢の確認
a 色覚検査
誤り。色覚の異常を調べる検査で、先天性色覚特性や視神経疾患などの評価に役立つ。黄斑表面の膜と牽引構造は描出できない。
b 静的視野検査
誤り。視野感度の低下を評価できるが、今回の変視症を説明する黄斑の微細構造を直接確認するにはOCTが適する。
c 蛍光眼底造影検査
誤り。網膜血管の漏出や循環、脈絡膜新生血管などの評価に有用だが、主所見は表面膜と皺であり、まず断層構造を調べる。
d 網膜電図検査〈ERG〉
誤り。網膜の電気的機能、特に広範な網膜機能障害を評価する。限局した黄斑の牽引性病変の形態診断にはOCTを優先する。
e 光干渉断層計〈OCT〉
正しい。網膜断層像により黄斑上膜、網膜の肥厚・変形、中心窩の状態を確認し、重症度や治療の検討に役立てる。
覚えるポイント
変視症では黄斑を調べる。黄斑上膜の牽引・皺・中心窩変形はOCTで評価する。
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