113E16|第113回 医師国家試験 過去問

基礎・検査・法医学放射線科画像検査・造影

MRIでガドリニウム造影剤を使用する際に、最も注意すべき患者背景はどれか。

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正解: e

正答

e 人工透析中の慢性腎不全

この問題のポイント

ガドリニウム造影剤の排泄が大きく低下する腎不全では、**腎性全身性線維症〈NSF〉**のリスクを考慮します。透析患者は特に慎重な適応判断が必要です。

解説

NSFは重度腎機能障害のある患者でガドリニウム造影後に問題となる、皮膚の硬化や関節拘縮、ときに内臓障害を伴う疾患です。造影前には腎機能、急性腎障害の有無、造影検査で得られる利益、代替できる検査を評価します。

本問では人工透析中の慢性腎不全が最も注意すべき背景です。ただし、現在使用される製剤ではNSF発症リスクは非常に低く、2024年の国内合同ガイドラインも一律に造影を禁止しているわけではありません。代替困難で必要性が高い場合は、製剤の特性、適正量、投与間隔などを考慮して慎重に判断します。

選択肢の確認

a 脳卒中
本問では選びません。脳卒中そのものは、ガドリニウムの排泄低下やNSFの主要な危険因子ではありません。検査の適応は病態に応じます。

b 心房細動
本問では選びません。心房細動は塞栓症などに関係しますが、それ自体がNSFの主要な危険因子ではありません。

c 間質性肺炎
本問では選びません。間質性肺炎では呼吸状態への配慮は必要ですが、重度腎障害に比べ本問の造影剤特有のリスクとは結び付きません。

d 頭蓋内圧亢進症
本問では選びません。頭蓋内圧亢進は原因検索と全身管理を要しますが、NSFの主要な患者背景ではありません。

e 人工透析中の慢性腎不全
正しい。造影剤の排泄低下とNSFのリスクを踏まえ、造影の必要性や代替検査を慎重に検討します。

覚えるポイント

  • ガドリニウム造影前には腎機能と急性腎障害を確認します。
  • 透析患者=無条件の絶対禁忌、と単純化せず適応を判断します。

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