113E22|第113回 医師国家試験 過去問
頸部で血管雑音を有する成人患者で考えにくいのはどれか。
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正解: b
正答
b 甲状腺機能低下症
この問題のポイント
血管雑音は血管の狭窄や血流の増加による乱流で生じます。甲状腺疾患で血流増加・血管雑音を考えるのは、典型的には機能亢進症です。
解説
頸動脈狭窄では狭い部分を速く流れる血液が乱流を生みます。高安動脈炎でも大動脈と主要分枝の狭窄が起こり、頸部や鎖骨上で雑音を聴くことがあります。動静脈瘻では動脈から静脈へ多量の血液が流れ、貧血では血液粘稠度低下と心拍出量増加が雑音を生じやすくします。
甲状腺機能低下症は通常、代謝と心拍出量が低下する方向です。バセドウ病などの機能亢進症でみられる甲状腺血流増加と取り違えないことが要点です。なお、雑音の有無だけでは狭窄の程度や病因を確定できず、必要に応じて超音波などで評価します。
選択肢の確認
a 頸動脈狭窄
考えられます。頸動脈の狭窄部分で血流が乱れて雑音が生じます。ただし高度狭窄・閉塞でも雑音を聴かない場合があります。
b 甲状腺機能低下症
正答。最も考えにくい背景です。機能低下症は通常、血流増加による頸部雑音を説明しません。機能亢進症との違いが重要です。
c 高安動脈炎〈大動脈炎症候群〉
考えられます。大動脈の主要分枝に炎症性の狭窄を生じ、血管雑音や脈拍・血圧の左右差が手掛かりになります。
d 動静脈瘻
考えられます。動脈と静脈の異常な交通を多量の血液が流れるため、連続性の雑音を生じ得ます。
e 貧 血
考えられます。血液粘稠度低下と代償性の心拍出量増加により血流が速くなり、頸部の雑音が聞こえることがあります。
覚えるポイント
- 血管雑音は狭窄だけでなく高血流状態でも生じます。
- 甲状腺血管雑音は機能亢進症をまず考えます。
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