113F12|第113回 医師国家試験 過去問

内科系感染症消化管感染・食中毒

ノロウイルス感染症について正しいのはどれか。

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正解: a

正答

a 食前加熱が有効である。

この問題のポイント

ノロウイルスは少量でも感染し、十分な加熱が予防に有効である。食中毒の「事件数」と「患者数」を区別する。

解説

ノロウイルスは便や吐物に排出され、食品・手指などを介して経口感染し、嘔吐、下痢、腹痛を起こす。二枚貝など汚染のおそれがある食品は、中心部を85~90℃で90秒以上加熱することが推奨される。加熱後に手指や器具から再汚染されることもあるため、手洗い、調理者の健康管理、吐物処理を含む対策が必要である。標準的な治療は脱水を防ぐための経口補水や必要時の輸液で、一般診療で用いる特異的な抗ウイルス薬は確立していない。ベロトキシンは腸管出血性大腸菌に関連する毒素であり、ノロウイルスの病態ではない。出題当時の食中毒統計では、ノロウイルスは集団発生により患者数が非常に多く、例えば2017年は8,496人で原因別の最多であった。順位は年により変わるので、永続的な順位として暗記しない。

選択肢の確認

a 食前加熱が有効である。
正しい。食品の内部まで十分に加熱してウイルスを失活させる。二枚貝などでは中心部85~90℃、90秒以上が目安である。

b 抗ウイルス薬が有効である。
誤り。標準治療として有効性が確立した特異的抗ウイルス薬はなく、水分・電解質補充などの支持療法が中心となる。

c 生体内でベロトキシンを産生する。
誤り。ベロトキシンは腸管出血性大腸菌が産生する。ノロウイルス感染による胃腸炎とは原因が異なる。

d ワクチンが定期接種に位置付けられている。
誤り。ノロウイルスワクチンは日本の定期接種に位置づけられていない。ロタウイルスワクチンと混同しない。

e 原因が判明した食中毒の中での患者数は第3位である。
誤り。出題当時、患者数は最多を占める代表的な病因であり、第3位という整理は誤りである。事件数の順位とは別に考える。

覚えるポイント

ノロウイルスは十分な加熱・石けんと流水の手洗いが基本。治療は補水を中心とし、食中毒統計では患者数と事件数を分ける。

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