113F29|第113回 医師国家試験 過去問

総合診療・救急・ケア救急・集中治療外傷初期診療

外傷患者で診断を確定するために、単純CTに造影CTを追加することが最も有用なのはどれか。

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正解: c

正答

c 脾損傷

この問題のポイント

造影CTの追加が特に役立つのは、実質臓器の損傷範囲と血管性出血を評価したい場合である。脾損傷では造影不良域や血管外漏出を捉える。

解説

脾臓は血流が豊富な実質臓器で、外傷により裂傷、被膜下血腫、血管損傷を生じる。単純CTでも腹腔内出血や血腫を疑えるが、静注造影を行うと正常に造影される実質と損傷部の差が明確になり、活動性出血、仮性動脈瘤、血流途絶などを評価できる。これらの情報は経過観察、経カテーテル動脈塞栓術、手術といった治療方針に関係する。造影CTは循環動態が安定している、または蘇生で安定化できる患者で行う。出血性ショックが持続し直ちに止血を要する患者を、画像確定だけのためにCTへ運んではいけない。気胸と骨折は空気や骨の形態が単純CTでよく描出され、脳挫傷の急性出血もまず単純CTで評価する。びまん性軸索損傷は単純CTで目立たないことがあり、詳細にはMRIが有用である。

選択肢の確認

a 気 胸
誤り。胸腔内の空気と虚脱した肺は単純CTで識別でき、気胸そのものを確定するために静注造影を追加する利点は小さい。

b 脳挫傷
誤り。急性の出血性脳挫傷は単純CTで高吸収域として評価する。血管損傷など別の疑いがなければ、造影追加が基本ではない。

c 脾損傷
正しい。造影により脾実質裂傷、造影不良域、造影剤の血管外漏出や仮性動脈瘤を評価でき、診断・重症度判定に有用である。

d 肋骨骨折
誤り。骨皮質の断裂や転位は骨条件の単純CTで評価できる。肋骨骨折自体の確認に静注造影を必要としない。

e びまん性軸索損傷
誤り。微小出血や非出血性軸索損傷にはMRIが有用で、単純CTに造影を足すことが最適な確定手段ではない。

覚えるポイント

実質臓器外傷の造影CTは「臓器の形+血流+活動性出血」をみる。検査より先に循環の安定性と止血の緊急度を判断する。

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