116C52|第116回 医師国家試験 過去問
小児・周産期・女性医学小児科神経・筋・発達障害
第1子(3歳男児)が臨床的にDuchenne型筋ジストロフィーと診断されている両親が遺伝カウンセリングを受けるために来院した。第1子はこれまで遺伝子検査を受けたことがない。他にDuchenne型筋ジストロフィーと診断されている家族はいない。 正しいのはどれか。
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正解: e
正解
e 第1子の遺伝子検査が陰性でも診断は変わらない。
解説
Duchenne型筋ジストロフィーは、DMD遺伝子の異常によるX連鎖劣性遺伝の疾患です。
ただし、遺伝カウンセリングでは、家系内発症の有無だけで単純に判断してはいけません。
この問題のポイント
- DMDではde novo突然変異による発症が少なくありません。
- そのため、患児がいても母親が確定保因者とは限りません。
- 一方で、遺伝子検査は非常に有用ですが、感度100%ではありません。
- したがって、臨床的に典型的なDMDであれば、遺伝子検査が陰性でも臨床診断が直ちに否定されるわけではありません。
各選択肢の検討
a 母親は本疾患の確定保因者である。
誤りです。DMDでは新生突然変異もあるため、母親が保因者と確定はできません。
さらに、体細胞では検出されない性腺モザイクの可能性もあり、遺伝カウンセリングでは慎重な説明が必要です。b 本疾患に突然変異による発症はない。
誤りです。DMDでは突然変異による発症が重要です。c 女性が本疾患の症状を示すことはない。
誤りです。女性でもmanifesting carrierとして筋力低下やCK上昇などを示すことがあります。d 本疾患の遺伝子検査の感度は100%である。
誤りです。欠失、重複、点変異の多くは検出できますが、すべてを完全に拾えるわけではありません。e 第1子の遺伝子検査が陰性でも診断は変わらない。
正しいです。臨床所見が典型的であれば、遺伝子検査陰性のみでDMDの診断が覆るとは限りません。
必要に応じて、追加の遺伝学的解析や筋病理学的評価を考えます。
国試での判断軸
- X連鎖劣性でも、母親をすぐに「確定保因者」と決めないことが重要です。
- 遺伝子検査陰性 = 疾患否定ではありません。
- 遺伝カウンセリングでは、まず発端者の診断確度を整理することが大切です。
覚えるポイント
- DMDはde novo突然変異がある。
- 女性でも症状を示すことがある。
- 検査感度100%ではない。
- 臨床的に典型例なら、遺伝子検査陰性でも診断が直ちに変わるわけではない。