116D20|第116回 医師国家試験 過去問
内科系消化器内科小腸・大腸・IBD
32歳の男性。右下腹部痛が昨日から出現し軽快しない。18歳時に虫垂切除歴あり。来院時に軽度発熱(37.0℃)と右下腹部圧痛・軽度反跳痛。白血球12,400、CRP3.6mg/dL。腹部単純CTではS状結腸付近に憩室と周囲脂肪織の炎症所見(図省略)。 この画像所見から最も考えられる疾患はどれか。

解答・解説を見る
正解: e
正解
e 大腸憩室炎
解説
この問題の決め手は、CTで
- 憩室が見えている
- その周囲の脂肪織に炎症所見がある
という2点です。これは大腸憩室炎に典型的な画像所見です。
右下腹部痛という臨床像から虫垂炎を連想しやすいですが、この患者はすでに虫垂切除後です。
国試では、局在だけでなく、CTの決め手所見を拾えるかが重要です。
各選択肢の検討
a 大腸癌
誤りです。壁肥厚や腫瘤形成、狭窄などが問題になりますが、憩室周囲脂肪織炎症が中心所見ではありません。b 便秘症
誤りです。炎症反応上昇や局所脂肪織炎症を説明できません。c 腸結核
誤りです。慢性経過で回盲部病変などが重要で、典型画像所見が異なります。d 虚血性腸炎
誤りです。高齢者に多く、腹痛と血便を伴うことが多い病態で、憩室周囲炎症像とは異なります。e 大腸憩室炎
正しいです。憩室と周囲脂肪織濃度上昇の組合せが典型です。
ひっかけポイント
- 右下腹部痛だけで虫垂炎に引っ張られやすい問題です。
- しかし、画像で憩室+周囲脂肪織炎症があれば、まず憩室炎を考えます。
覚えるポイント
- 憩室が見える
- その周囲に脂肪織炎症がある
この2つがそろえば、CTでは大腸憩室炎を第一に考えます。