107PM044|第107回 助産師国家試験 過去問
次の文を読み42~44の問いに答えよ。Aさん(37歳、2回経産婦)はこれまでの出産はいずれも正常分娩であった。診療所に通院し、今回の妊娠経過中に異常の指摘はなかった。妊娠40週5日、前期破水で入院した。午前8時には、第2頭位で内診所見は子宮口3 cm開大、展退度50%、Station ±0、子宮頸管の硬度は軟、子宮口の位置は後方であった。分娩第2期遷延、分娩停止のため吸引分娩が施行され、4回目の吸引によって、3,880 gの男児が娩出された。羊水は泥状であったが、出生直後から啼泣があり、Apgar〈アプガー〉スコアは1分後7点(皮膚色-2点、筋緊張-1点)、5分後8点(皮膚色-1点、筋緊張-1点)、臍帯動脈血pH 7.20であった。クベースに収容して経過観察していたところ、出生2時間後から頭部の腫瘤が増大してきた。暗赤色で骨縫合を超えており、指で押すと陥凹する。体温37.0 ℃、呼吸数70/分、心拍数170/分で鼻翼呼吸がみられる。新生児への対応で予測されるのはどれか。2つ選べ。
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正解: 4・5
正答
4、5
この問題のポイント
吸引分娩後に増大し、暗赤色で骨縫合を越え、圧迫で陥凹する腫瘤は帽状腱膜下血腫を示す。大量出血による循環不全に備え、静脈路を確保してNICUへ搬送する。
解説
帽状腱膜下腔は広く、ここへの出血は頭蓋全体へ拡大して新生児の循環血液量を大きく失わせる。本児は吸引4回という危険因子があり、腫瘤が出生後に増大し、頻呼吸、頻脈、鼻翼呼吸も出現している。頭囲、腫脹、皮膚色、血圧、Hb/Ht、凝固、ビリルビンを緊急評価し、輸液・輸血等に備えて静脈路を確保し、高度管理できるNICUへ搬送する。
選択肢の確認
1.光線療法:血腫吸収により後に黄疸が増強することはあるが、現在の循環不全への最優先対応ではない。
2.腫瘤の穿刺:感染と再出血の危険があり、帽状腱膜下血腫を穿刺して治療しない。
3.脳低温療法:臍帯動脈血pHやApgarスコアから低酸素性虚血性脳症の適応を示す所見ではない。
4.静脈路の確保:大量出血性ショックに対する補液・輸血を迅速に開始できるよう必要である。
5.NICUへの搬送:呼吸循環の連続監視と集中的治療が必要なため適切である。
覚えるポイント
「吸引後・増大・骨縫合を越える・波動性」は帽状腱膜下血腫。見た目以上の失血を想定し、静脈路とNICUを急ぐ。