107PM048|第107回 助産師国家試験 過去問
次の文を読み48~50の問いに答えよ。Aさん(21歳、大学生、未婚)は腹痛を主訴に救急外来を受診した。Aさんの意識は清明で、体温38.0 ℃、脈拍85/分、整、血圧118/78 mmHgであった。診察の結果、Aさんは陣痛発来しており、内診所見では既に破水しており、子宮口全開大、Station +2であった。児は頭位で推定体重は3,000 g。Aさんは1人暮らしで、特定のパートナーはおらず妊娠の自覚もなく、1年以上病院への受診歴はない。HIV抗体陰性、HBs抗原陰性、HCV抗体陽性、梅毒スクリーニング検査陰性、新型コロナウイルス〈SARS-CoV-2〉PCR検査陰性、胸部エックス線写真で肺野に異常陰影は認められない。出生後の児への母子感染予防対策で適切なのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 5
正答
5
この問題のポイント
HCV抗体陽性母体では、児への有効なワクチンや免疫グロブリンによる予防法はない。授乳は原則可能だが、血液曝露を避けるため乳頭出血時は中止する。
解説
C型肝炎ウイルスの母子感染は主に妊娠・分娩時に起こり、HCV RNA陽性などで感染リスクを評価する。出生直後の児に行う特異的ワクチン、免疫グロブリン、予防的抗ウイルス薬は確立していない。母乳自体で感染が増える証拠は乏しく通常は授乳できるが、亀裂乳頭から出血している間は児が血液に触れないよう授乳を休み、搾乳廃棄等を検討する。
選択肢の確認
1.ワクチンの接種:HCVに対する実用化された予防ワクチンはなく、出生時接種で予防できない。
2.抗ウイルス薬の内服:感染が確認されていない新生児へ予防目的に内服させる標準策はない。
3.早期母子接触の中止:通常の皮膚接触で感染するものではなく、HCV抗体陽性だけで一律に中止しない。
4.特異的ヒト免疫グロブリン製剤の筋肉内注射:HBVと異なり、HCV特異的免疫グロブリンによる予防法はない。
5.Aさんの乳頭から出血している場合の授乳中止:母体血への曝露を避けるため、出血が治まるまで該当乳房からの授乳を中止する。
覚えるポイント
HCVは「ワクチンなし・免疫グロブリンなし・授乳は原則可」。乳頭の亀裂や出血がある間だけ血液曝露を避ける。