108PM044第108回 助産師国家試験 過去問

次の文を読み42~44の問いに答えよ。Aさん(32歳、初産婦)は、妊娠39週6日、規則的な子宮収縮と痛みを自覚し、午前3時に分娩予定の産婦人科を受診した。胎児は頭位、子宮口5 cm開大、展退度80%、Station -1。無痛分娩を希望し、硬膜外麻酔により痛みが緩和された。午前11時に子宮口全開大、Station +4、午後2時に子宮口全開大、Station +4、矢状縫合は縦で小泉門が0時方向に触れる。分娩停止の適応で鉗子遂娩術が実施されることになった。Aさんの出血は止まり、会陰切開部の縫合が行われた。午後6時、助産師が訪室すると「お尻のあたりが痛いです。便がしたい感じもあります」と訴えて顔をしかめている。会陰部は軽度腫脹がみられるが、縫合不全はなく、パッドへの悪露の付着は少量である。このときの助産師の対応で正しいのはどれか。

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正解: 1

正答

1

この問題のポイント

鉗子分娩後の強い臀部痛と便意感、外観上軽度腫脹・少量悪露の組合せは産道血腫を疑うため、直ちに内診します。

解説

鉗子分娩や会陰切開後は、腟壁・会陰の深部血管が損傷し、外に多く出血せず血腫を形成することがあります。血腫が直腸や骨盤底を圧迫すると、痛みが時間とともに増し、肛門・臀部の圧迫感や「便がしたい」感覚が出現します。パッドへの悪露が少ないことは内部出血を否定しません。そこで内診と直腸診、腟壁の膨隆、圧痛、血腫の大きさを確認し、バイタルサインと貧血を評価して医師へ報告します。診断前に排便を促したり、鎮痛薬だけで様子をみたりすると増大性血腫の発見が遅れます。

選択肢の確認

1.内診をする。:外陰所見が軽くても深部の腟壁血腫があるため、内診で腟壁の膨隆、圧痛、血腫の範囲をただちに確認します。
2.トイレで排便を促す。:便意感は血腫の直腸圧迫で生じている可能性があり、原因を評価せずトイレへ歩かせて排便を促すと出血と転倒の危険があります。
3.鎮痛薬の処方を医師に依頼する。:鎮痛薬は診断後の疼痛管理に必要ですが、増大する産道血腫を見逃さないよう先に内診と循環評価を行います。
4.子宮収縮薬の処方を医師に依頼する。:子宮収縮薬は子宮弛緩性出血の治療であり、子宮外の産道深部に形成された血腫の原因止血にはなりません。

覚えるポイント

産道血腫は「器械分娩後」「増強する深部痛」「肛門圧迫/便意感」「外出血は少ない」が手掛かりです。

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