108PM053第108回 助産師国家試験 過去問

次の文を読み52、53の問いに答えよ。Aさん(39歳、初産婦)は、妊娠28週時の妊婦健康診査にて羊水が多いことを指摘され、妊娠29週0日に総合周産期母子医療センターであるB病院を紹介受診した。超音波検査にて推定胎児体重は1,150 g(-1.2 SD)、AFI 32 cm、小脳低形成、先天性心疾患、食道閉鎖症の疑いなどの所見が認められた。Aさんは、胎児に染色体異常がある可能性について担当医師から説明を受け、出生前検査を希望した。Aさんは、妊娠33週0日の妊婦健康診査にて「息苦しくて横になれない。食べても吐いてしまう。お腹の張りが頻回にある」と訴え、入院管理となった。超音波検査にて推定胎児体重は1,630 g(-1.5 SD)、AFI 45 cm、子宮頸管長33 mmである。胎児心拍数陣痛図は、胎児心拍数基線140 bpm、基線細変動10 bpm、一過性頻脈を認め、一過性徐脈を認めない。子宮収縮を不規則に認める。Aさんへの治療で正しいのはどれか。

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正解: 1

正答

1

この問題のポイント

AFI 45 cmの重度羊水過多により呼吸困難、嘔吐、頻回の子宮収縮が生じているため、治療的羊水穿刺で羊水を緩徐に除去します。

解説

Aさんは妊娠33週、AFI 45 cmと著明な羊水過多で、増大した子宮が横隔膜と胃を圧迫し、起座呼吸、摂食後嘔吐、頻回の張りを起こしています。胎児心拍数は基線140 bpm、基線細変動10 bpm、一過性頻脈あり、一過性徐脈なしで胎児酸素化は良好です。子宮頸管長33 mmで著明な短縮はなく、不規則収縮のみです。従って、原因となる過剰な子宮内容量を減らす羊水除去が最も直接的な治療です。急激な減圧は常位胎盤早期剥離や破水を招くおそれがあるため、超音波下で慎重に行います。酸素投与、利尿薬、子宮収縮抑制薬は羊水量自体と圧迫症状を直接改善しません。

選択肢の確認

1.羊水除去:症候性の重度羊水過多に対し、羊水穿刺で過剰な羊水を緩徐に除去すると、横隔膜・胃への圧迫と子宮過伸展を軽減できます。
2.酸素の投与:胎児心拍数陣痛図は基線細変動と一過性頻脈が保たれ一過性徐脈がなく、母体の呼吸困難は子宮の機械的圧迫なので酸素投与は原因治療ではありません。
3.利尿薬の投与:利尿薬は母体血管内脱水と胎盤循環への影響を招く可能性があり、羊水過多の標準的な治療として羊水を排出する目的では使いません。
4.子宮収縮抑制薬の投与:子宮収縮抑制薬は真の切迫早産に適応を検討しますが、頸管長33 mmで不規則収縮の本例の強い圧迫症状とAFI 45 cmを直接解決しません。

覚えるポイント

重度羊水過多で「母体圧迫症状あり」なら治療的羊水除去。胎児状態と早産所見は別に評価します。

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