61AM034|第61回 理学療法士国家試験 過去問
装具と疾患の組合せで適切なのはどれか。
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正解: 4
正答
4.短下肢装具(足関節底屈制動式)─ 脳卒中片麻痺(下肢BrunnstromステージⅤ)
この問題のポイント
脳卒中後の下肢機能回復段階において、分離運動(BrunnstromステージⅤ) に達した患者では、遊脚期の下垂足や踵接地時の足の安定性確保が課題となる。この状況で、足関節の底屈を制動することで、歩行中のバランス維持が可能になる。そのため、底屈制動式の短下肢装具は、この段階での適切な介入として認められる。
解説
脳卒中片麻痺で下肢がBrunnstromステージⅤに達すると、分離運動が出現し、遊脚期に足が下垂(下垂足)を起こすリスクが高まる。また、踵接地時において足の安定性が確保できず、立脚時のバランスが崩れやすい。このような状況では、足関節の底屈を制動することで、踵接地時の足の位置を安定させ、歩行の安全性を高めることが期待される。このため、底屈制動式の短下肢装具が適応される。特に、片麻痺の患者において、歩行中の下肢の不随意な動きを抑制し、安全な歩行訓練を可能にする効果がある。
選択肢の確認
1.pogo-stick 装具 脳性麻痺
→ 装具としての用途は下肢切断者向けの練習用簡易義足であり、脳性麻痺の標準的装具ではない。誤り。
2.交互歩行装具〈RGO〉 二分脊椎(機能残存レベルT10)
→ RGOは対麻痺歩行訓練に用いられるが、T10レベルでは股関節周囲の随意運動が乏しく、実用歩行は困難。適応が不十分。誤り。
3.コックアップ・スプリント 正中神経麻痺
→ コックアップは橈骨神経麻痺(下垂手)に適応。正中神経麻痺では対立スプリントが用いられる。誤り。
4.短下肢装具(足関節底屈制動式) 脳卒中片麻痺(下肢Brunnstrom 法ステージⅤ)
→ 分離運動段階で下垂や不安定性が問題となるため、底屈制動が適切。正解。
5.ハロー・ベスト 腰部脊柱管狭窄症
→ ハロー・ベストは頸椎の固定に用いられる。腰部疾患には適用されない。誤り。
覚えるポイント
「分離運動が出現した段階で、底屈を制動」という組み合わせが、脳卒中後の歩行支援において最も重要な判断基準となる。装具の選択は、患者の機能段階に応じた安全性と実用性の両面を考慮した上で行うべきである。