第108回
108AM035|第108回 保健師国家試験 過去問
平成30年(2018年)の日本の医療施設数または医療従事者数で正しいのはどれか。2つ選べ。
解答・解説を見る
正解3・4
正答
3.就業保健師数は約5万3千人である。
4.歯科診療所数は約6万8千施設である。
この問題のポイント
平成30年(2018年)時点の医療施設数と看護職員の就業者数の概数を問う問題です。施設数は医療施設調査で、看護職員数は衛生行政報告例(就業医療関係者)で把握されます。施設の種類ごと・職種ごとの大小関係と桁を覚えているかが、判断の鍵です。
解説
数値の出典を区別する
この問題には、性質の異なる2つの統計が含まれています。
- 医療施設調査(厚生労働省):病院・一般診療所・歯科診療所の数を把握する調査です。詳しく調べる静態調査は3年ごと(10月1日現在)に行われます。開設・廃止などを追う動態調査は、届出に基づいて毎月行われます。年次の施設数は、毎年10月1日現在で集計・公表されます。
- 衛生行政報告例(就業医療関係者):保健師・助産師・看護師・准看護師の就業者数を、2年ごとの12月31日現在で集計します。もとになるのは業務従事者届です。保健師助産師看護師法第33条に基づき、就業している看護職が翌年1月15日までに就業地の都道府県知事へ提出します。
医師・歯科医師・薬剤師の数は、これとは別の医師・歯科医師・薬剤師統計(2年ごと、12月31日現在)で把握します。
医療施設の区分と規模(医療施設調査、2018年10月1日現在)
医療法では、20人以上の患者を入院させる施設(20床以上)をもつものを病院と定めています。19床以下または無床のものは診療所です。
- 病院:8,372施設(約8,400)。一般病院と精神科病院に分かれ、精神科病院は約1千施設です。病院数は長期的に減少が続いています。
- 一般診療所:102,105施設(約10万2千)。3種類の中で最も多く、大部分は無床診療所です。
- 歯科診療所:68,613施設(約6万8千)。一般診療所よりは少ないものの、病院の約8倍あります。
大小関係は「一般診療所>歯科診療所>病院」です。
就業看護職員の規模(衛生行政報告例、2018年12月31日現在)
- 看護師:1,218,606人(約121万9千)
- 准看護師:304,479人(約30万4千)
- 保健師:52,955人(約5万3千)
- 助産師:36,911人(約3万7千)
大小関係は「看護師>准看護師>保健師>助産師」です。看護師・保健師・助産師は増加していますが、准看護師は減少傾向にあります。保健師の就業場所は市町村が最も多く、半数を超えます。次いで多いのは保健所です。看護師の就業場所は病院が最も多くなっています。
正答の判断と実践での意味
選択肢3の就業保健師数と選択肢4の歯科診療所数は、実際の値とよく一致します。選択肢1・2・5は、いずれも実際の値から大きく外れています。とくに選択肢2は実際の約半分、選択肢5は約20万人少ない値です。
保健師は地域診断で、管轄地域の医療資源(病院・診療所の数、看護職の数と配置)を把握します。これを健康課題の分析や事業の企画に役立てます。全国の規模感を知っていると、自分の地域の人口当たりの数値が多いか少ないかを判断する物差しになります。
なお、この問題は出題当時の平成30年の数値に基づいています。その後の令和2年・令和4年の調査でも、保健師・看護師の就業者数は増加しています。一方、病院数は引き続き減少し、歯科診療所数は横ばいから緩やかな減少の傾向です。
選択肢の確認
1.病院数は約6千施設である。:医療施設調査による平成30年10月1日現在の病院数は8,372施設です。約6千施設は、実際より3割近く少ない値です。病院は一般診療所や歯科診療所に比べるとずっと少ない施設ですが、6千まで減ってはいません。一般病院だけでも7千施設を超えることを押さえておけば、この数値が少なすぎるとすぐに判断できます。
2.一般診療所数は約5万施設である。:医療施設調査による平成30年10月1日現在の一般診療所は102,105施設で、10万施設を超えています。約5万施設では、実際の半分程度しかありません。この値だと歯科診療所(約6万8千)より少なくなり、「一般診療所>歯科診療所」という大小関係とも矛盾します。約5万という規模は、むしろ就業保健師数に近い数です。
3.就業保健師数は約5万3千人である。:正答。平成30年末の衛生行政報告例では、就業している保健師は52,955人で、約5万3千人にあたります。看護職の中では看護師・准看護師に次いで多く、助産師(約3万7千人)を上回ります。保健師の就業者数は増加傾向が続いており、その半数以上が市町村で働いています。
4.歯科診療所数は約6万8千施設である。:正答。医療施設調査による平成30年10月1日現在の歯科診療所は68,613施設で、約6万8千施設にあたります。一般診療所(約10万2千)よりは少ないものの、病院(約8,400)の約8倍です。近年はほぼ横ばいで推移しています。「一般診療所>歯科診療所>病院」の順を押さえておけば判断できます。
5.就業看護師数は約100万5千人である。:衛生行政報告例による平成30年末の就業看護師は1,218,606人で、120万人を超えています。約100万5千人は、実際より約20万人少ない値です。准看護師(約30万4千人)を合わせると、約152万人の規模になります。看護師の就業者数は増加が続いているため、以前の年次の値と取り違えないよう注意が必要です。
覚えるポイント
- 施設数は医療施設調査で把握します。静態調査は3年ごと、動態調査は届出に基づき毎月行われ、年次の施設数は毎年10月1日現在です。看護職員の就業者数は、衛生行政報告例(2年ごと、12月31日現在)で把握します。
- 平成30年の施設数(医療施設調査)は、一般診療所が約10万2千、歯科診療所が約6万8千、病院が約8,400です。順番は「一般診療所>歯科診療所>病院」です。
- 医療法の区分では、病院は20床以上、診療所は19床以下または無床です。病院数は長期的に減少傾向です。
- 平成30年末の就業者数(衛生行政報告例)は、看護師が約121万9千人、准看護師が約30万4千人、保健師が約5万3千人、助産師が約3万7千人です。このうち減少傾向なのは准看護師だけです。
- 就業場所は、保健師が市町村で最多(半数超)、看護師が病院で最多です。
- 統計の数値問題は、細かな値よりも桁と大小関係で判断できるように覚えます。
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