第108回
108PM025|第108回 保健師国家試験 過去問
平成30年(2018年)国民健康・栄養調査における20歳以上の男女別の「現在習慣的に喫煙している者の割合」で正しいのはどれか。
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正解4
正答
4.男性29.0%女性8.1%
この問題のポイント
国民健康・栄養調査による20歳以上の喫煙率を、男女別の水準で覚えているかを問う統計問題です。選択肢の数値は、男性が39.0・29.0・19.0%、女性が28.1・18.1・8.1%で、男女とも10ポイント刻みで並んでいます。男性は約3割、女性は1割弱という水準を知っていれば、男女それぞれで正しい値を1つに絞り込めます。両方を満たす組合せは1つだけです。
解説
「現在習慣的に喫煙している者」の定義
問題文の「現在習慣的に喫煙している者」は、国民健康・栄養調査で定義された用語です。平成25年調査以降は、たばこを「毎日吸っている」または「時々吸う日がある」と答えた者を指します。平成30年調査もこの定義です。
平成15〜24年は、一定の喫煙歴がある者のうち、「この1か月間に毎日又はときどきたばこを吸っている」と回答した者を指していました。喫煙歴の条件は時期によって異なります。
- 平成15〜22年:「合計100本以上又は6か月以上たばこを吸っている(吸っていた)者」
- 平成23・24年:「これまでたばこを習慣的に吸っていたことがある者」
このように定義が変わっているため、年をまたいで数値を比べるときは注意が必要です。
平成30年(2018年)の結果と正答の導き方
平成30年国民健康・栄養調査では、20歳以上の現在習慣的に喫煙している者の割合は総数17.8%、男性29.0%、女性8.1%でした。男性は3割をわずかに下回り、女性は1割に届きません。男性は女性の約3.6倍です。この10年間で、男女とも喫煙率は低下しています。年齢階級別には、男女とも中年期で比較的高く、高齢期で低い傾向があります。
この値を選択肢に当てはめます。男性29.0%を含むのは選択肢3と4、女性8.1%を含むのは選択肢4と5です。両方を満たすのは選択肢4だけで、これが正答です。
喫煙率の推移と対策・目標
国民健康・栄養調査の男性の喫煙率は、2000年代前半には4割を超えていました。その後は低下傾向が続いています。女性は長く1割前後で推移し、近年は1割を下回っています。この低下を支えてきた主な対策は次のとおりです。
- たばこ税の引き上げによる価格の上昇
- 職場や公共の場での禁煙の広がり
- 禁煙治療の保険適用
- 健康増進法に基づく受動喫煙対策
平成30年(2018年)7月には健康増進法が改正され、望まない受動喫煙の防止が明文化されました。施設の区分ごとの規制は次のとおりです。
- 第一種施設(学校・病院・児童福祉施設・行政機関など):原則として敷地内禁煙。令和元年(2019年)7月に施行されました。
- 第二種施設(それ以外の多数の者が利用する施設):原則として屋内禁煙。令和2年(2020年)4月の全面施行で適用されました。
出題当時の健康日本21(第二次)では、成人の喫煙率を12%に下げることが目標でした。この値は、喫煙者のうち「やめたい」と考える人が禁煙できた場合を想定して設定されたものです。あわせて、未成年者の喫煙をなくすこと、妊娠中の喫煙をなくすこと、受動喫煙の機会を減らすことも目標に掲げられていました。令和6年度から始まった健康日本21(第三次)でも、20歳以上の者の喫煙率12%が目標とされています。
その後の値と保健師活動での使い方
- 令和2年・3年の国民健康・栄養調査は、新型コロナウイルス感染症の影響で中止されました。
- 令和元年(2019年)の同調査では、総数16.7%、男性27.1%、女性7.6%でした。
- 令和4年(2022年)の同調査では、総数14.8%、男性24.8%、女性6.2%で、低下が続いています。
- 喫煙率は国民生活基礎調査など他の調査でも把握されています。調査ごとに方法や定義が異なり、値も違います。問題文が「どの調査か」を必ず確認します。
保健師活動では、この全国値を比較の基準として使います。自治体の特定健診の質問票などから地域の喫煙率を把握し、全国値と比べて地域の課題を見つけます。特定健診の対象は40〜74歳なので、比べるときは年齢層などの条件をそろえることが大切です。そのうえで、禁煙支援の対象(働き盛りの男性、妊婦とその家族など)を絞り込んでいきます。
選択肢の確認
1.男性39.0%女性28.1%:男性39.0%は10年以上前の水準に近く、平成30年の29.0%より10ポイント高い値です。女性28.1%は女性の喫煙率としては非常に高く、むしろ男性の値に近い数字です。男女とも平成30年の実際の値と合いません。
2.男性39.0%女性18.1%:男性39.0%は、男性の喫煙率が4割近くあった過去の水準です。平成30年時点の値としては高すぎます。女性18.1%も、平成30年の実際の値(8.1%)の2倍以上(約2.2倍)にあたります。長く1割前後で推移してきた女性の喫煙率としても、高すぎる値です。
3.男性29.0%女性18.1%:男性29.0%は正しい値ですが、平成30年の女性は8.1%で1割を下回っています。女性18.1%は実際の値と合いません。18.1%は男女を合わせた総数(17.8%)に近い値です。総数と女性の値を混同すると選びやすい選択肢です。
4.男性29.0%女性8.1%:正答。平成30年国民健康・栄養調査の値そのものです。20歳以上の男性で29.0%、女性で8.1%であり、男性は約3割、女性は1割弱という水準にも合っています。
5.男性19.0%女性8.1%:女性8.1%は正しい値ですが、平成30年の男性は29.0%で、2割を下回るところまでは下がっていません。男性19.0%は低すぎます。19.0%は総数(17.8%)に近いので、総数を男性の値と取り違えると選びやすい選択肢です。
覚えるポイント
- 平成30年(2018年)国民健康・栄養調査の20歳以上の喫煙率は、総数17.8%、男性29.0%、女性8.1%です。男性は女性の約3.6倍です。
- 「現在習慣的に喫煙している者」とは、たばこを「毎日吸っている」または「時々吸う日がある」と答えた者です(平成25年調査以降の定義)。
- 喫煙率は男女とも長期的に低下しています。令和4年(2022年)国民健康・栄養調査では男性24.8%、女性6.2%です。
- 健康日本21(第二次)・(第三次)とも、20歳以上の喫煙率の目標は12%です。20歳未満(第二次では「未成年者」)と妊娠中の喫煙をなくすこと、受動喫煙の防止もあわせて押さえます。
- 改正健康増進法(2018年成立、2020年4月全面施行)は、望まない受動喫煙の防止を目的とします。第一種施設(学校・病院・行政機関など)は原則敷地内禁煙、第二種施設(それ以外の多数の者が利用する施設)は原則屋内禁煙です。
- 統計問題では「男性・女性・総数」の取り違えを狙った選択肢が多いので、どの区分の値を問われているかを確認します。
掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。
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