111PM042|第111回 保健師国家試験 過去問
次の文を読み42~44の問いに答えよ。Aさん(60歳、男性、自営業)は1人暮らし。つまずいたり転んだりすることが多くなり、精密検査のため入院したところ、筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉と確定診断された。近隣に住む弟(57歳)と一緒に運送業を営んでいたが、運転ができなくなり仕事を辞めた。弟が保健所に医療費助成申請の手続きのために来所し、保健師が面接したところ「兄は自宅で度々転んでいます。この先どのような生活になるのか不安です」と話した。保健師は今後の支援体制を検討していくために、入院している医療機関でAさんと面接し「最期まで住み慣れた自宅で誰にも気を遣わず生活したい」という意向を確認し、主治医とも病状について共有した。Aさんが退院した日に、保健師は自宅を訪問した。保健師はAさんの支援体制を検討するために国際生活機能分類〈ICF〉を用いてアセスメントを行うこととした。訪問時に追加してアセスメントする項目で優先度が高いのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
退院日に自宅を訪問する利点は、病院面接では分からない住環境、支援者、サービス、交通、福祉用具などの環境因子を実際の生活場面で確認できることです。
解説
AさんのALSという病状や転倒・運転困難、退職、独居、在宅希望はすでに本人、弟、主治医から把握しています。自宅では、段差、階段、浴室・トイレ、寝室動線、転倒物、緊急連絡手段、近隣の弟の支援可能性、利用中・利用可能なサービスや福祉用具を確認します。ICFでは、物理的環境、人的支援、制度・サービスは環境因子であり、活動や参加を促進することも阻害することもあります。進行性疾患では環境を先回りして調整し、本人の在宅希望を具体的に支えることが重要です。
選択肢の確認
1.活動:歩行や移乗などは重要ですが、転倒と運転困難から一部は既に把握され、自宅訪問では環境との関係を優先します。
2.参加:仕事を辞めたことや在宅生活の希望を把握しており、まず生活を可能にする環境を確認します。
3.環境因子:住宅構造、支援者、サービス、福祉用具を現場で確認でき、退院直後の支援体制検討に最優先です。
4.個人因子:年齢、生活歴、価値観などで、本人の「自宅で生活したい」という意向は既に確認されています。
5.心身機能・身体構造:ALSの診断と病状は主治医から共有されており、自宅で新たに得るべき情報としては環境が優先します。
覚えるポイント
ICFは本人の機能だけでなく環境との相互作用を見ます。家庭訪問では、環境が促進因子か阻害因子かを具体的な動線で確認します。