111PM050|第111回 保健師国家試験 過去問
次の文を読み48~50の問いに答えよ。Aさん(42歳、男性)は2週間の海外旅行から9月1日に帰国した。滞在地では麻しんが流行していたが、帰国時のAさんには特に症状がなく、翌日から5日間、会社へ出勤した。帰国6日後に、起床時から発熱がみられたため近くのB診療所を受診し、解熱薬等の処方を受けた。その2日後に全身の発疹が出現したので再度B診療所を受診したところ、麻しんが疑われたためC病院に紹介され入院となった。C病院の医師は入院時点までのAさんの症状および経過から、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉に基づき麻しんの発生届を管轄保健所へ提出した。Aさんの同居家族を含む接触者中3名が二次感染により麻しんを発症したが、3名とも麻しんワクチンの未接種者であった。今回の事例を受け、管轄保健所の保健師は、今後、麻しん患者が発生した場合の拡大防止の取り組みの一環として麻しん定期予防接種の接種率向上のため、未就学児の保護者を対象とする講演会等に積極的に出向き、予防接種の重要性について説明を行う時間を設けてもらうようにした。ある会場での講演会終了後に、参加者である一人の母親から「かかりつけの医師から勧められているが、自分は子どもに予防接種を受けさせるつもりはない」と申し出があった。この母親への保健師の対応で適切なのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
予防接種を拒む保護者には、説得や訂正を急がず、まず理由、不安、価値観を開かれた質問で聴きます。背景が分かって初めて必要な情報を個別に共有できます。
解説
母親は医師の勧奨を受けても接種しない意思を示しているため、単なる情報不足とは限りません。副反応への不安、過去の経験、周囲の情報、病気の危険認識などを、批判せずに尋ねます。保健師は反射的傾聴で気持ちを確認し、許可を得て麻しんの重症化・感染拡大とワクチンの利益・有害事象を分かりやすく説明します。最終的な意思決定を尊重しつつ、相談の窓口を保ちます。定期接種の努力義務を「強制接種の義務」として迫るのは不適切です。
選択肢の確認
1.「受けさせたくない方に余計なお話をお聞かせしてしまい失礼しました」と伝える。:対話を閉じ、母親が安全に疑問を相談する機会を失わせます。
2.「予防接種についてもう一度説明させていただいてもよいですか」と尋ねる。:許可を得る姿勢はありますが、同じ説明の前に拒否理由を理解する必要があります。
3.「予防接種を受けさせたくない理由を教えていただけますか」と尋ねる。:開かれた質問で母親の不安と判断背景を把握でき、適切です。
4.「法律で定められているので接種の義務があります」と伝える。:強制される接種と誤解させ、自己決定と信頼関係を損ねる表現です。
覚えるポイント
ワクチン忌避への対話は「理由を聴く→共感して確認→情報提供の許可→個別に説明→相談関係を保つ」の順です。