77PM87第77回 診療放射線技師国家試験 過去問

エックス線撮影技術学X線撮影技術画像の成立

胸部 X 線撮影で遠距離撮影を行う理由はどれか。

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正解: 4

正答

4

この問題のポイント

胸部 X 線撮影では、一般に焦点受像器間距離を長くした遠距離撮影を行います。

主な目的は、心臓や縦隔などの幾何学的拡大を小さくすることです。

したがって、遠距離撮影を行う理由として正しいのは 心臓陰影拡大の抑制です。

解説

X 線画像では、X 線管焦点から出た X 線が広がりながら進むため、被写体と受像器の距離があると画像は拡大されます。

この拡大率は、焦点受像器間距離が長いほど小さくなります。

胸部 X 線撮影では、心臓陰影の大きさを正確に評価する必要があります。特に心胸郭比〈CTR〉を評価するとき、心臓が実際より大きく写ると、心拡大を過大評価するおそれがあります。

そのため、胸部撮影では遠距離撮影を行い、心臓陰影の拡大をできるだけ抑えます。

ひっかけポイント
胸部撮影の遠距離撮影は、散乱線を減らすためではなく、幾何学的拡大を抑えるためです。

幾何学的拡大の考え方

拡大率は、おおまかに次の関係で考えます。

  • 拡大率 = 焦点受像器間距離 ÷ 焦点被写体間距離

焦点受像器間距離を長くすると、X 線束の広がりによる拡大が小さくなります。

胸部正面撮影では、心臓を受像器に近づける PA 撮影と、遠距離撮影を組み合わせることで、心臓陰影の拡大を抑えます。

選択肢の確認

1.誤り。
散乱線は主に被写体厚、照射野、管電圧、グリッドの使用などに影響されます。遠距離撮影の主目的は散乱線の減少ではありません。

2.誤り。
肩甲骨陰影を肺野から外すには、肩を前方へ出す、肩甲骨を外側へ移動させるなどの体位調整が重要です。遠距離撮影そのものが肩甲骨陰影を消失させるわけではありません。

3.誤り。
呼吸停止時間は、撮影時間や患者指示、装置条件に関係します。遠距離撮影の主目的ではありません。

4.正しい。
遠距離撮影により幾何学的拡大を小さくできます。胸部撮影では、心臓陰影の拡大を抑えて心胸郭比などを適切に評価するために重要です。

5.誤り。
画像コントラストは管電圧、散乱線量、グリッド、画像処理などの影響を受けます。遠距離撮影の主目的は画像コントラスト向上ではありません。

覚えるポイント

  • 胸部 X 線撮影では、遠距離撮影により幾何学的拡大を抑えます。
  • 遠距離撮影の主目的は心臓陰影拡大の抑制です。
  • 心臓を受像器に近づける PA 撮影も、心拡大の抑制に有効です。
  • 肩甲骨陰影を外すには体位調整が重要です。
  • 散乱線低減には、照射野の絞りやグリッドなどが関係します。

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