78AM24|第78回 診療放射線技師国家試験 過去問
緩和的放射線治療の適応に最もなりにくいのはどれか。
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正解: 2
正答
2.腹水による食欲不振
問題のポイント
緩和的放射線治療は、がんを完全に治すことよりも、症状を軽くすることを主目的に行う放射線治療です。
代表的な適応には、
- 骨転移による疼痛
- 脊髄圧迫
- 脳転移による神経症状
- 腫瘍出血
- 気道狭窄
- 上大静脈症候群
などがあります。
この問題では、「最もなりにくいもの」を選びます。
なぜ腹水による食欲不振が適応になりにくいか
腹水による食欲不振は、腹腔内に液体が貯留し、胃や腸が圧迫されることで起こります。
腹水は、腹膜播種、肝機能低下、低アルブミン血症、門脈圧亢進など、広範囲で全身的な要因によって生じることが多いです。
放射線治療は局所治療なので、広範囲の腹水そのものを改善する目的では使いにくい治療です。
腹水に対しては、穿刺排液、利尿薬、アルブミン補正、腹水濾過濃縮再静注法、薬物療法などが検討されます。
したがって、2.腹水による食欲不振、が緩和的放射線治療の適応に最もなりにくいです。
他の選択肢との区別
1.胃癌による出血
適応になり得ます。
胃癌などの腫瘍出血に対して、止血目的の緩和的放射線治療が行われることがあります。
腫瘍を縮小させたり、血管新生を抑えたりすることで出血を軽減する効果が期待されます。
2.腹水による食欲不振
最も適応になりにくいです。
腹水は広範囲・全身的な病態として起こることが多く、局所照射で改善させる対象としては不向きです。
3.多発性の転移性脳腫瘍
適応になり得ます。
多発脳転移では、全脳照射や定位照射などが症状緩和や病勢制御の目的で行われることがあります。
4.疼痛を有する転移性骨腫瘍
代表的な適応です。
骨転移による疼痛に対する緩和照射は非常に重要です。
疼痛軽減、鎮痛薬減量、病的骨折予防などを目的に行われます。
5.転移性骨腫瘍による脊髄圧迫
緊急性の高い適応です。
脊髄圧迫では、麻痺や膀胱直腸障害が進行する可能性があるため、早急な治療が必要です。
放射線治療は除圧手術やステロイド投与とあわせて検討されます。
覚えるポイント
緩和的放射線治療は「局所症状を放射線で軽くできるか」で考えます。
適応になりやすいもの:
- 骨転移痛
- 脊髄圧迫
- 脳転移
- 腫瘍出血
- 気道・血管などの局所圧迫症状
適応になりにくいもの:
- 腹水など、広範囲・全身的な病態による症状
本問では、腹水による食欲不振が最も緩和照射の対象になりにくいため、正答は2です。