111PM058|第111回 看護師国家試験 過去問
第二次性徴で正しいのはどれか。
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正解: 1
正答
1.女児は乳房の発育から始まる。
この問題のポイント
第二次性徴の正常な経過を問う問題です。問われているのは、どの徴候から始まるか、男女のどちらが早いか、身長の急伸(第二次発育急進)と初経のどちらが先か、精通はいつごろか、の4点です。女児は「乳房発育→陰毛→身長の急伸→初経」の順に進み、男児は女児より約2年遅れて精巣の増大から始まります。この流れを押さえていれば解けます。
解説
第二次性徴とは
第一次性徴は、出生時からある性腺や内外性器の性差を指します。第二次性徴は、思春期に性ホルモンの作用で新たに現れる身体の性差を指します。
第二次性徴は次の仕組みで起こります。
- 思春期に入ると、視床下部から**性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)**が拍動的に分泌されるようになります。
- それを受けて、下垂体前葉から黄体形成ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌が増えます。
- LHとFSHの刺激で、卵巣からはエストロゲンが、精巣からはテストステロンが分泌されるようになります。
- これらの性ホルモンが、乳房、外性器、体毛、声、体型などを変化させます。
女児の経過
女児の最初の徴候は乳房の発育で、10歳前後に始まるのが一般的です。乳輪の下に小さなしこりができて膨らみ始め、これはエストロゲンの作用によるものです。個人差があり、陰毛が先に現れる子もいますが、典型的な順序は次のとおりです。
- 乳房の発育
- 陰毛の発生
- 身長の急伸(第二次発育急進)
- 初経
日本の初経の平均年齢は12歳前後で、乳房発育の開始からおよそ2年あまり後です。身長の伸びのピークは初経より前に来るため、初経を迎えた時点で身長の急伸はすでに峠を越えています。初経後の伸びは数cm程度にとどまります。皮下脂肪の増加や骨盤の横幅の広がりといった体型の変化も、この時期に進みます。
男児の経過
男児は女児より約2年遅れて始まり、最初の徴候は精巣容積の増大です。容積が4mL以上になることが思春期開始の目安とされます。その後、陰茎の発育、陰毛の発生、身長の急伸、変声・腋毛・ひげと進みます。精通(初めての射精)は、夢精や自慰で経験され、平均では13歳前後、中学生の時期に経験する人が多いとされます。
男児の身長の急伸は思春期の中盤以降に起こり、その幅も女児より大きい傾向があります。急伸が始まる前に伸び続ける期間も女児より長いため、成人身長の男女差につながります。
第二次発育急進
身長が急に伸びる時期は2回あります。
- 第一発育急進:胎児期から乳児期
- 第二発育急進:思春期
女児は第二発育急進を男児より早く迎えます。このため、小学校高学年ごろには女子の平均身長が一時的に男子を上回ります。
評価と看護での活かし方
第二次性徴の段階は、乳房、陰毛、外性器の発達をそれぞれ5段階で示すTanner(タナー)分類で評価します。
学校保健や小児看護の場では、次のような支援に生かせる知識です。
- 初経より前に月経の仕組みや手当てを教える
- 精通について事前に説明しておく
- 時期に個人差が大きいことを伝え、本人の不安を和らげる
また、発現が年齢に比べて極端に早い、または遅い場合は、思春期早発症や思春期遅発症などの可能性があります。その場合は受診を勧める判断が必要になります。
選択肢の確認
1.女児は乳房の発育から始まる。:正答。女児の第二次性徴は、エストロゲンの作用による乳房の発育(乳輪下のしこりと膨らみ)が最初の徴候となるのが典型です。その後、陰毛の発生、身長の急伸、初経と続きます。陰毛が先行する例もありますが、一般的な順序として正しい記述です。
2.発現は男児が女児よりも早い。:第二次性徴の発現は女児のほうが早く、男児は女児よりおよそ2年遅れて始まるため、記述は男女が逆です。女児は10歳前後に乳房発育から、男児はそれより遅れて精巣容積の増大から始まります。身長の急伸も女児が先に迎え、小学校高学年で女子の平均身長が一時的に男子を上回ることと結びつけて覚えると取り違えにくくなります。
3.初経の開始後に、第二次発育急進が起こる。:第二次発育急進(思春期の身長の急伸)は初経より前に起こるため、前後関係が逆です。初経は身長の伸びのピークを過ぎてから訪れ、その後の伸びは数cm程度にとどまります。「初経が来たら身長の伸びはそろそろ終わりに近い」と説明できるようにしておくと、成長の相談にも対応できます。
4.精通は11歳の男児のほとんどに認められる。:精通の平均年齢は13歳前後で、中学生の時期に経験する人が多いため、11歳の男児のほとんどに認められるとはいえません。11歳ごろは多くの男児にとって精巣の増大が始まる時期にあたります。精通は陰茎の発育や陰毛の発生がある程度進んだ思春期の中盤以降に起こります。
覚えるポイント
- 第二次性徴は、視床下部のGnRH分泌増加→下垂体のLH・FSH分泌増加→性腺からの性ホルモン分泌、という流れで起こります。
- 女児の典型的な順序は「乳房発育→陰毛→身長の急伸→初経」です。初経は平均12歳前後で、乳房発育開始のおよそ2年あまり後に来ます。
- 男児の最初の徴候は精巣容積の増大(4mL以上が目安)です。発現は女児より約2年遅く、精通は13歳前後が平均です。
- 身長の急伸は、女児では初経より前、男児では思春期の中盤以降に起こります。初経後の身長の伸びは数cm程度です。
- 発育急進は乳児期(第一)と思春期(第二)の2回です。女児が先に迎えるため、小学校高学年で女子の平均身長が一時的に男子を上回ります。
- 第二次性徴の評価はTanner分類(乳房・陰毛・外性器の5段階)で行います。時期の個人差が大きいことを踏まえた性教育と不安への支援が看護の役割です。
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