112AM007|第112回 看護師国家試験 過去問
運動機能の発達で3歳以降に獲得するのはどれか。
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正解: 4
正答
4.けんけん〈片足跳び〉をする。
この問題のポイント
乳幼児の粗大運動(全身を使う運動)が、何歳ごろに獲得されるかを問う問題です。各選択肢の動作を獲得年齢の目安に置き換え、年齢順に並べれば、3歳を過ぎてから獲得するものが分かります。判断の鍵は、片足で体重を支えながら跳ぶ動作が最も遅いという点です。この動作には、バランス、下肢の筋力、協調運動がいずれも高い水準で必要になります。
解説
運動発達の方向性
運動機能の発達には、決まった方向性と順序があります。
- 頭部から尾部(下肢)へ進みます。首のすわり → 座位 → 立位 → 歩行の順です。
- 中心から末梢へ進みます。体幹や肩・腰が先に安定し、手指や足先の細かい動きは後から発達します。
- 粗大運動から微細運動へ進みます。全身の大きな動きから、目的に合わせた細かい協調的な動きへ移ります。
立位と歩行を獲得した後も順序があります。「両足で安定して立つ」→「片足で一瞬支える」→「片足で支えたまま跳んで移動する」のように、支持基底面が狭く、バランスの要求が大きい動作ほど後から獲得されます。
粗大運動の主な目安
- 首のすわり:3〜4か月ごろ
- 寝返り:5〜6か月ごろ
- ひとり座り:7〜8か月ごろ
- はいはい:8〜9か月ごろ
- つかまり立ち:9〜10か月ごろ
- ひとり立ち:11〜13か月ごろ(1歳前後)
- ひとり歩き:1歳〜1歳3か月ごろ
- 走る、ボールを蹴る、両足をそろえて跳ぶ:2歳ごろ
- 片足立ち(数秒)、三輪車をこぐ、足を交互に出して階段を昇る:3歳ごろ
- けんけん(片足跳び):4歳ごろ
- スキップ:5歳ごろ
正答に至る判断
選択肢を目安に当てはめると、次のようになります。
- ひとり立ち:1歳前後
- 階段昇り:1歳6か月〜2歳ごろに手すりを使って始まる
- ボールを蹴る:2歳ごろ
- けんけん:4歳ごろ
3歳以降に獲得するのは、けんけんだけです。けんけんは、3歳ごろに獲得する片足立ちが土台になります。片足で全体重を支え、その足で踏み切り、同じ足で着地して姿勢を立て直す。この一連の動きを繰り返せる力が、4歳ごろに備わります。さらに、左右の片足跳びをリズムよく交互に行うスキップが5歳ごろに続きます。
実践での活用
これらの年齢は、多くの子どもが獲得する時期の目安で、個人差があります。発達の評価には、デンバー発達判定法(DENVER II)のように、通過率をもとに判定する方法が用いられます。
母子保健法に基づく1歳6か月児健康診査と3歳児健康診査でも、運動発達を確認します。たとえば1歳6か月の時点でひとり歩きができない場合は、運動発達の遅れを疑って詳しく評価する目安とされます。
発達段階は、遊びの提案や事故予防にも役立ちます。4歳ごろなら「けんけんぱ」のような遊びを取り入れられます。活動範囲が広がる時期なので、遊具からの転落や交通事故への注意も必要です。
選択肢の確認
1.階段を昇る。:階段昇りは段階的に上達する動作で、始まりは3歳より前です。1歳6か月〜2歳ごろには、手すりや大人の手につかまり、1段ごとに両足をそろえる形(二足一段)で昇れます。3歳ごろには、手すりなしで左右の足を交互に出して(一足一段)昇れるようになります。したがって、昇る動作そのものは3歳までに獲得しています。なお、降りる動作は昇る動作より遅く、足を交互に出して降りられるのは4歳ごろです。「3歳」という数字は交互昇りの完成形と結びつきやすいので、獲得の始まりが2歳前後である点と区別して覚えましょう。
2.ひとりで立つ。:何にもつかまらずに立つ動作は、11〜13か月ごろ(1歳前後)に獲得します。つかまり立ち(9〜10か月)→ つたい歩き → ひとり立ち → ひとり歩きの順に進み、選択肢の中で最も早く獲得する動作です。
3.ボールを蹴る。:止まったボールを前に蹴る動作は、2歳ごろに獲得します。一瞬だけ片足で体を支え、もう一方の足を振り出す動きで、立位のバランスが安定して走れるようになる時期と重なります。片足で支える時間はごく短く、片足のまま跳び続ける選択肢4よりずっと早く獲得されます。
4.けんけん〈片足跳び〉をする。:正答。片足で体重を支えたまま跳躍と着地を繰り返す動作で、4歳ごろに獲得します。3歳ごろの片足立ちを土台として獲得され、その先に5歳ごろのスキップが続きます。選択肢の中で、3歳以降に獲得するのはこの動作だけです。
覚えるポイント
- 粗大運動の目安:首のすわり3〜4か月、ひとり座り7〜8か月、つかまり立ち9〜10か月、ひとり立ち1歳前後、ひとり歩き1歳〜1歳3か月
- 2歳:走る、ボールを蹴る、両足跳び。3歳:片足立ち(数秒)、三輪車、階段を交互に昇る
- 片足の動作は、3歳の片足立ち → 4歳のけんけん → 5歳のスキップの順に獲得する
- 階段は昇りが先で降りが後。2歳前後は二足一段、3歳で交互に昇り、4歳で交互に降りる
- 発達は頭部から尾部へ、中心から末梢へ、粗大運動から微細運動へ進む。バランスの要求が高い動作ほど後に獲得される
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