112AM009|第112回 看護師国家試験 過去問
令和2年(2020年)の衛生行政報告例における看護師の就業場所で、医療機関(病院、診療所)の次に多いのはどれか。
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正解: 4
正答
4.訪問看護ステーション
この問題のポイント
衛生行政報告例(就業医療関係者)が示す、看護師の就業場所の構成を問う問題です。看護師の大部分は病院と診療所で働いています。それを前提に、選択肢のなかで「医療機関以外で看護師が多く働く場所」を選びます。保健師は市町村・保健所、看護師は医療機関と在宅・介護分野というように、職種ごとに就業場所の分布が大きく違う点を区別することが鍵です。
解説
衛生行政報告例と業務従事者届
衛生行政報告例は、厚生労働省が都道府県などからの報告をもとに、衛生行政の実態をまとめた統計です。保健師・助産師・看護師・准看護師の就業状況は、2年ごと(偶数年の12月31日現在)に集計されます。
その基になるのが、保健師助産師看護師法第33条に定められた業務従事者届です。業務に従事する看護職は、2年ごとに12月31日現在の氏名・住所・就業地などを、翌年1月15日までに就業地の都道府県知事へ届け出ます。本問の「令和2年」は、令和2年末現在の集計を指します。
看護師の就業場所の構成
令和2年末の就業看護師は約128万人で、看護職のなかで最も多い職種です。就業者数は看護師、准看護師、保健師、助産師の順になります。
就業場所の構成は次のとおりです。
- 病院:約7割を占めて最も多い
- 診療所:1割強で病院に続く
- 医療機関(病院・診療所)だけで8割を超える
- 医療機関以外の主な就業場所:訪問看護ステーションと介護保険施設等(介護老人保健施設、介護医療院、介護老人福祉施設など)
- 事業所、保健所、市町村、社会福祉施設、看護師等学校養成所など:それぞれごく少ない割合にとどまる
選択肢の4つを比べると、医療機関に次いで看護師が多いのは訪問看護ステーションです。介護保険施設等は選択肢に含まれていないため、本問では比較の対象になりません。
訪問看護ステーションで働く看護師が増えている背景
高齢化の進行、平均在院日数の短縮、地域包括ケアシステムの推進により、医療的な処置や観察が必要なまま自宅で療養する人が増えています。
訪問看護ステーションは、介護保険法や健康保険法などの医療保険各法に基づいて訪問看護を提供する拠点です。主な基準と仕組みは次のとおりです。
- 人員基準:看護職員を常勤換算で2.5人以上配置する
- 管理者:原則として常勤の保健師または看護師が務める
- サービス提供:主治医の訪問看護指示書に基づき、看護職が主体となって在宅療養を支える
事業所数・従事者数ともに増加傾向が続いています。この社会的背景とあわせて理解しておくと、統計の数字を丸暗記していなくても正答を導けます。
保健師・助産師との違い
- 保健師:市町村が最も多く(半数以上)、次いで保健所です。行政機関で地域住民を対象に活動する職種であることが、就業場所に表れています。
- 助産師:病院が最も多く、次いで診療所、助産所の順です。
- 看護師:病院と診療所で大部分を占め、在宅・介護分野がそれに続きます。
本問の「事業所」「市町村」「保健所」は、いずれも保健師の就業場所として上位に入る場所です。保健師の統計と混同させるために置かれた選択肢だと読み取れると、迷わずに解けます。
選択肢の確認
1.事業所:職場で働く人の健康管理を担う産業保健の分野は、看護職のなかでは主に保健師の活動の場です。看護師の就業割合はごくわずかで、選択肢4を大きく下回ります。保健師の統計では上位に入る就業場所のため、職種を取り違えると選んでしまいやすい選択肢です。
2.市町村:母子保健や成人保健、介護予防などの住民向けサービスを担う基礎自治体で、保健師にとっては最も多い就業場所です。一方、看護師は健診や予防接種の補助などで雇用される程度で、就業割合はわずかです。「行政で働く看護職の中心は保健師」と整理しておけば判断できます。
3.保健所:地域保健法に基づき、都道府県、指定都市、中核市、その他政令で定める市、特別区が設置する広域的・専門的な行政機関です。感染症対策、精神保健、難病対策などを担う看護職の中心は保健師で、看護師の就業割合はごく少数です。保健師の統計では選択肢2に次いで多い就業場所であり、その知識と混同しないよう注意します。
4.訪問看護ステーション:正答。看護師の就業場所は病院と診療所で8割を超え、選択肢のなかではこれに次いで多いのがここです。在宅療養者の増加と地域包括ケアシステムの推進を背景に、就業者が増え続けています。管理者を看護職が務め、看護師が主体となってサービスを提供する点が、他の選択肢との大きな違いです。
覚えるポイント
- 衛生行政報告例(就業医療関係者)は、保健師助産師看護師法の業務従事者届(2年ごと、偶数年12月31日現在、翌年1月15日までに都道府県知事へ)を集計したものです。
- 就業者数は、看護師>准看護師>保健師>助産師の順です。
- 看護師の就業場所は、病院(約7割)>診療所(1割強)です。医療機関以外では、訪問看護ステーションと介護保険施設等が主な就業場所です。
- 保健師は市町村(半数以上)>保健所、助産師は病院>診療所>助産所の順です。職種ごとの違いがそのまま選択肢のひっかけになります。
- 訪問看護ステーションは、看護職員が常勤換算2.5人以上、管理者は原則として常勤の保健師または看護師です。在宅医療の推進により就業者が増加しています。
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