112AM040|第112回 看護師国家試験 過去問

毒薬の保管方法を規定している法律はどれか。

解答・解説を見る

正解: 4

正答

4.医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律〈医薬品医療機器等法〉

この問題のポイント

医薬品である「毒薬」の取扱いを定める法律を選ぶ問題です。判断の手がかりは、問題文が「毒物」ではなく「毒薬」と書いている点です。医薬品の毒薬・劇薬は医薬品医療機器等法、医薬品以外の毒物・劇物は毒物及び劇物取締法、麻薬・向精神薬は麻薬及び向精神薬取締法というように、対象物ごとに根拠となる法律が異なります。この対応関係を整理できているかが問われています。

解説

「毒薬」と「毒物」は別のもの

「毒薬」は医薬品の一種です。作用が強く、誤った使い方をすると生命に危険が及ぶおそれがあるものを、厚生労働大臣が指定します。これに対して「毒物」は、医薬品・医薬部外品以外の化学物質(工業用薬品や試薬など)で、毒物及び劇物取締法の対象です。語尾が「薬」か「物」かで、根拠となる法律が変わります。ここを読み分けることが正答への第一歩です。

医薬品医療機器等法が定める毒薬・劇薬の取扱い

医薬品医療機器等法(通称:薬機法)は、2014年に旧薬事法から改称された法律です。医薬品等の品質・有効性・安全性を確保するため、承認、製造販売、表示、販売、取扱いを定めています。毒薬・劇薬については次の規定があります。

  • 表示:毒薬は、容器または被包に黒地に白枠・白字で品名と「毒」の文字を記載します。劇薬は、白地に赤枠・赤字で品名と「劇」の文字を記載します。
  • 貯蔵・陳列:業務上毒薬・劇薬を取り扱う者は、どちらも他の物と区別して貯蔵・陳列しなければなりません。さらに毒薬については、貯蔵・陳列する場所に鍵をかけることが義務づけられています(第48条)。
  • 劇薬の保管:他の物と区別すれば足り、施錠は法律上の義務ではありません。ただし、施設の規程で施錠管理としている場合はあります。
  • 譲渡・交付:毒薬・劇薬の譲渡の手続や、14歳未満の者などへの交付の禁止も、この法律に定められています。

臨床での意味

病棟では、ベクロニウム臭化物などの筋弛緩薬の一部が毒薬に指定されています。これらは施錠できる保管庫で、ほかの薬剤と区別して管理します。

麻薬は別の法律(麻薬及び向精神薬取締法)で規制され、「鍵をかけた堅固な設備」での保管が求められます。つまり、次の順に管理が厳しくなります。

  • 劇薬:区別して保管
  • 毒薬:区別して保管し、施錠
  • 麻薬:堅固な設備で施錠保管

看護師は日常的に薬剤を扱うため、「どの薬を、どの法律に基づいて、どのレベルで管理するのか」を理解しておくことが、医療安全と盗難・紛失の防止に直結します。

正答に至る判断

問われているのは医薬品である毒薬の保管方法です。したがって、医薬品の取扱い全般を規定し、毒薬の区別保管と施錠を定めている医薬品医療機器等法が正答になります。

選択肢の確認

1.薬剤師法:薬剤師の免許、国家試験、業務(調剤、処方箋による調剤、疑義照会、情報提供など)を定める、いわゆる「人(職種)」に関する法律で、毒薬の保管方法は規定していません。看護職にとっての保健師助産師看護師法に相当する身分法と整理すると、医薬品の取扱いを定める法律と区別しやすくなります。

2.毒物及び劇物取締法:医薬品・医薬部外品以外の毒物・劇物(工業用薬品や試薬など)を、保健衛生上の見地から取り締まる法律で、医薬品である毒薬は対象外です。表示も異なり、容器には「医薬用外」の文字とともに、毒物は赤地に白字で「毒物」、劇物は白地に赤字で「劇物」と表示します。名称に「毒」「劇」が含まれるため最も取り違えやすい選択肢です。問題が「毒物」や「劇物」の取扱いを問うていれば、この法律が正答になります。

3.麻薬及び向精神薬取締法:麻薬・向精神薬の輸入、製造、施用、譲渡、保管などを定める法律で、毒薬はこの法律の対象ではありません。麻薬は、覚醒剤を除くほかの医薬品と区別し、鍵をかけた堅固な設備内に保管することが定められています。また、施用するには都道府県知事の免許を受けた麻薬施用者(医師など)であることが必要です。「保管方法を厳しく定めた法律」という点では似ていますが、対象が麻薬・向精神薬に限られる点で区別します。

4.医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律〈医薬品医療機器等法〉:正答。医薬品である毒薬・劇薬について、指定、表示、貯蔵・陳列の方法を規定しています。毒薬は他の物と区別して貯蔵・陳列し、その場所に鍵をかけることが義務づけられています。

覚えるポイント

  • 対象物と根拠法の対応:医薬品の毒薬・劇薬は医薬品医療機器等法、医薬品以外の毒物・劇物は毒物及び劇物取締法、麻薬・向精神薬は麻薬及び向精神薬取締法です。
  • 毒薬は「黒地・白枠・白字」で「毒」と表示し、他の物と区別したうえで施錠して保管します。
  • 劇薬は「白地・赤枠・赤字」で「劇」と表示し、他の物と区別して保管します(施錠は法律上の義務ではありません)。
  • 麻薬は、覚醒剤を除くほかの医薬品と区別し、鍵をかけた堅固な設備内で保管します。施用できるのは都道府県知事の免許を受けた麻薬施用者です。
  • 医薬用外の毒物は「赤地に白字」、劇物は「白地に赤字」で表示します。毒薬(黒地)と色が異なる点をひっかけに注意します。
  • 薬剤師法は薬剤師の身分と業務を定める法律で、医薬品の保管方法を問う問題の正答にはなりません。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

問題文・正答・解説に誤りを見つけたら、この問題の誤りを報告する([email protected])までお知らせください。確認して修正します。

関連問題

← 112AM039112AM041 →
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)