112PM077|第112回 看護師国家試験 過去問

心電図検査の胸部誘導で電極を第4肋間胸骨右縁に装着するのはどれか。

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正解: 2

正答

2.V1

この問題のポイント

12誘導心電図の電極を付ける位置、とくに胸部誘導の位置を正確に覚えているかを問う問題です。手がかりは「胸部誘導」「第4肋間」「胸骨右縁」の3つです。まず四肢誘導を除外し、次に胸骨の右側に付ける胸部誘導はV1だけであることを思い出せば正答できます。

解説

問題文の「胸部誘導で」という条件から、まず四肢誘導は候補から外れます。12誘導心電図は、四肢に付ける4個と胸部に付ける6個、合計10個の電極から12通りの誘導を記録します。

  • 四肢誘導(6誘導):双極肢誘導(標準肢誘導)のⅠ・Ⅱ・Ⅲと、増高単極肢誘導のaVR・aVL・aVFです。心臓の電気活動を前額面(体を正面から見た面)でとらえます。
  • 胸部誘導(6誘導):単極誘導のV1〜V6で、心臓を水平面(体を輪切りにした面)でとらえます。

選択肢のうちⅠとaVRは四肢誘導で、電極は両手首と両足首に付けます。残るV1・V2・V4の中から、「第4肋間」と「胸骨右縁」の両方を満たすものを選びます。

胸部誘導の装着部位

  • V1:第4肋間胸骨右縁
  • V2:第4肋間胸骨左縁
  • V3:V2とV4を結ぶ線の中点
  • V4:第5肋間と左鎖骨中線の交点
  • V5:V4と同じ高さで、左前腋窩線との交点
  • V6:V4と同じ高さで、左中腋窩線との交点

胸骨の右側に付けるのはV1だけで、V2以降はすべて左胸に並びます。V1とV2は第4肋間で胸骨をはさんで左右の対になります。V4だけが第5肋間にあり、V3・V5・V6の位置を決める基準点になります。V3はV4の位置が決まらないと付けられないため、V1→V2→V4→V3→V5→V6の順に付けると正確です。

肋間の数え方と検査時の注意

肋間は胸骨角を目印に数えます。胸骨角は胸骨柄と胸骨体の結合部で、前方にわずかに出っ張って触れます。この高さに第2肋骨が付着しているので、その直下が第2肋間です。そこから第3肋間、第4肋間と下へたどります。

V1・V2は本来より高い位置に付けてしまいやすい電極です。位置がずれると波形が変わり、心筋梗塞の部位を誤って判断したり、前回の記録と比べられなくなったりします。女性では、V4〜V6を乳房の上ではなく乳房の下の胸壁に付けます。

日本では電極の色も決まっています。胸部電極はV1から順に赤・黄・緑・茶・黒・紫です。四肢電極は右手が赤、左手が黄、左足が緑、右足が黒で、右足はアース(基準)として使います。

検査は仰臥位で安静にして行い、体の力を抜いてもらいます。緊張や寒さによる筋肉のふるえは、筋電図が混ざって波形が乱れる原因になります。室温や保温に配慮し、電極を付ける部位の汗や皮脂を拭き取ってから装着します。

誘導と心臓の部位の対応

胸部誘導は主に次の部位の変化を反映します。

  • V1・V2:心室中隔
  • V3・V4:前壁
  • V5・V6:側壁

四肢誘導では、Ⅱ・Ⅲ・aVFが下壁、Ⅰ・aVLが側壁の変化を反映します。ST上昇などの変化がどの誘導に出ているかで障害部位を推定するため、電極を正しい位置に付けることが診断の前提になります。右室梗塞が疑われるときは、胸部誘導を左右対称に右胸へ移した右側胸部誘導(V4Rなど)を追加することがあります。

胸痛を訴える患者に対し、看護師が速やかに12誘導心電図を記録する場面は多くあります。正確な装着は、臨床で直接役立つ技術です。

選択肢の確認

1.Ⅰ:右手と左手の電極間の電位差を記録する双極肢誘導(標準肢誘導)で、電極は四肢に付け、胸部には置きません。右手が陰極、左手が陽極で、前額面で心臓の側壁の変化を反映します。右手と左手の電極を付け違えると、この誘導のP波・QRS波・T波が上下反転して記録されることも覚えておくとよいでしょう。

2.V1:正答。胸部誘導のうち最も右側に置く電極で、第4肋間胸骨右縁に付けます。胸骨の右側に付ける胸部誘導はこれだけで、主に心室中隔の変化を反映します。電極の色は赤です。

3.V2:肋間の高さは問題文と同じ第4肋間ですが、胸骨の左縁に付ける胸部誘導です。選択肢2とは胸骨をはさんで左右対称の位置にあり、左右を取り違えやすい組み合わせです。心室中隔の変化を反映し、V3の位置を決める基準の一つにもなります。

4.V4:第5肋間と左鎖骨中線の交点に付ける胸部誘導で、肋間の高さも左右の位置も問題文の条件と異なります。V3・V5・V6の位置を決める基準になる重要な電極で、主に前壁の変化を反映します。

5.aVR:右手の電極を探査電極とする増高単極肢誘導で、四肢誘導の一つです。電極は四肢に付けるため、胸部の装着位置を問うこの問題の条件に当てはまりません。右肩の方向から心臓を見る誘導なので、正常ではP波・QRS波・T波がいずれも下向きになります。「R」は右手(right)を表し、aVLの「L」は左手、aVFの「F」は足(foot)を表します。

覚えるポイント

  • 12誘導は、四肢誘導6つ(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・aVR・aVL・aVF)と胸部誘導6つ(V1〜V6)でできており、電極は合計10個です。
  • 胸部誘導の位置:V1は第4肋間胸骨右縁、V2は第4肋間胸骨左縁、V3はV2とV4の中点です。V4は第5肋間左鎖骨中線、V5・V6はV4と同じ高さの左前腋窩線・左中腋窩線です。
  • 肋間は胸骨角(第2肋骨の付着部)から数えます。V1・V2は高く付けやすいので注意します。
  • 電極の色:胸部はV1から順に赤・黄・緑・茶・黒・紫です。四肢は右手赤・左手黄・左足緑・右足黒(アース)です。
  • 誘導と部位の対応:V1・V2は中隔、V3・V4は前壁、V5・V6は側壁、Ⅱ・Ⅲ・aVFは下壁、Ⅰ・aVLは側壁です。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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