46AM55|第46回 第2種ME技術実力検定試験 過去問
観血式血圧計で血圧を測定していると、左図の波形が右図の波形に変化した。原因はどれか。

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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
この問題では、観血式血圧測定でみられる異常波形の原因を判断します。
左図は比較的なめらかな動脈圧波形です。
右図では、収縮期の立ち上がり後や下降部分に細かい振動が重なっています。
このように波形がギザギザと振動する変化は、圧測定系の共振を疑います。
解説
観血式血圧計では、血管内の圧変化が次の経路でトランスデューサに伝わります。
カテーテル → 延長チューブ → 圧トランスデューサ
この圧伝達系には、液体の質量、チューブの弾性、抵抗成分があるため、力学的な振動系としてふるまいます。
共振が起こると、血圧波形に含まれる成分が測定系で強調され、波形に余分な振動が重なります。
図の右側では、各拍動のピーク付近から下降部分にかけて小さな振動が連続しており、共振によるリンギングを示す波形として考えます。
共振やアンダーダンピングでは、一般に次のような影響が出ます。
- 収縮期圧が実際より高めに表示されやすい
- 拡張期圧が実際より低めに表示されやすい
- 脈圧が大きく見えることがある
- 波形のピーク付近に細かい振動が重なる
一方、気泡混入、血液凝固、血管壁への先当たり、カテーテルの折れ曲がりでは、圧の伝達が悪くなり、波形はなまったり小さくなったりしやすくなります。
図の右側のように振動が増える波形とは区別します。
図で見るポイント
左図から右図への変化では、波形が平坦になるのではなく、拍動ごとに細かい振動が重なっています。これは「圧が伝わらない」変化ではなく、「圧伝達系が振動している」変化として判断します。
ME機器管理での注意点
観血式血圧測定では、ゼロ点調整だけでなく、気泡、血栓、折れ曲がり、接続の緩み、共振、ダンピングを確認します。波形異常は数値の誤表示につながるため、波形の形も必ず観察します。
選択肢の確認
1.カテーテル内への大きな気泡の混入
誤り。
大きな気泡が混入すると、圧変化が気泡で吸収されやすくなります。その結果、波形はなまり、振幅が小さくなる方向に変化しやすいです。図の右側のような細かい振動の増加は、共振を考える所見です。
2.カテーテル先端の血液凝固
誤り。
カテーテル先端に血液凝固が起こると、血管内圧が測定系へ伝わりにくくなります。波形は鈍くなったり、振幅が低下したりしやすく、右図のように拍動ごとに振動が重なる原因としては不適切です。
3.カテーテル先端の血管壁への先当たり
誤り。
カテーテル先端が血管壁に当たると、圧の伝達が不安定になったり、波形が鈍くなったり、血圧値が不正確になったりします。ただし、右図のような規則的な振動の重なりは、圧伝達系の共振による波形変化として判断します。
4.カテーテルでの共振の発生
正しい。
右図では、収縮期の立ち上がり後や下降部分に細かい振動が重なっています。これは、カテーテルやチューブを含む圧伝達系が共振し、血圧波形に余分な振動が加わった状態です。したがって、原因として最も適切です。
5.カテーテルの折れ曲がり
誤り。
カテーテルが折れ曲がると、圧がトランスデューサへ伝わりにくくなります。一般に波形は低振幅化したり、なまったりします。右図のように振動成分が増える波形とは合いません。
覚えるポイント
- 観血式血圧測定では、波形の形から圧伝達系の異常を推定します。
- 共振では、波形に細かい振動やリンギングが重なります。
- 共振やアンダーダンピングでは、収縮期圧が高め、拡張期圧が低めに表示されることがあります。
- 気泡、血栓、先当たり、折れ曲がりでは、圧の伝達が悪くなり、波形はなまりやすくなります。
- 数値だけでなく、血圧波形の立ち上がり、ピーク、下降脚、振動の有無を確認します。
