19AM032|第19回 言語聴覚士国家試験 過去問
クライアント中心療法の説明として適切でないのはどれか。 a.治療者はクライアントに共感的理解を示す。 b.治療者とクライアントとの人間関係の質が重視される。 c.自己認知が歪んでいる状態を心理的不適応状態と捉える。 d.治療者はクライアントが治療者に向ける個人的感情を分析する。 e.転移感情はクライアントの幼少期の親子関係を明らかにする手がかりとする。
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正解: 5
正答
(5)
この問題のポイント
クライアント中心療法は共感的理解、無条件の肯定的関心、自己一致を重視する。転移感情の分析や幼少期の親子関係の解釈は精神分析的技法であり、d・eが不適切である。
解説
Rogersの立場では、自己概念と実際の経験の不一致が心理的不適応に関係し、治療者が指示や解釈で答えを与えるより、安全で受容的な関係の中でクライアント自身が経験を吟味し成長する力を支える。治療効果には技法以上に関係の質が重要で、治療者は相手の内的世界を『あたかもその人であるかのように』理解しつつ自分を失わない。転移を分析して無意識的葛藤や幼少期の対象関係を明らかにするのは、古典的精神分析や力動的心理療法の枠組みである。
選択肢の確認
1.「a,b」:aの共感的理解とbの治療関係の質の重視は、いずれもクライアント中心療法の中核であり、不適切な二項の組合せではない。
2.「a,e」:aは正しいが、eの転移から幼少期親子関係を解釈する考えは精神分析的である。
3.「b,c」:bの関係の質の重視とcの自己認知・経験の不一致という理解はいずれも適切である。
4.「c,d」:cは適切だが、dの治療者へ向けられた感情を分析する操作は非指示的立場と異なる。
5.「d,e」:dとeはいずれも転移解釈を中心とする精神分析の説明で、本療法には適切でない。
覚えるポイント
Rogersは共感・受容・自己一致、Freud系は転移・抵抗・無意識の解釈、と治療関係の用い方で区別する。