26AM058|第26回 言語聴覚士国家試験 過去問
52歳の男性。脳梗塞で右片麻痺とブローカ失語を呈した。書き取り課題において、漢字の「卵」は正しく書けたが、平仮名の「たまご」は正しく書けなかった。 理由として考えられるのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
意味から漢字語形へ至る語彙経路は使えるが、聞いた音韻列を一音ずつ仮名へ変換する非語彙経路が障害された所見である。「卵」は書けても「たまご」を書けない差は音韻―文字変換障害で説明できる。
解説
漢字は語の意味表象と結びついた全体的な綴りとして想起できる。一方、仮名は音節・モーラと文字の対応が規則的で、聴写では音韻分析から仮名文字素へ変換する処理への依存が大きい。この症例は同じ高心像語の意味と書字運動が保たれ、表記体系による差があるため、単なる書字経験、心像性、非利き手使用、総画数では説明しにくい。ブローカ失語を生じる左半球病変では音韻処理障害を伴い得る。
選択肢の確認
1.書字習慣がない:誤り。漢字を書けることと表記体系差を特異的に説明しない。
2.心像性が低い:誤り。「卵/たまご」は同じ概念で、漢字成功とも矛盾する。
3.音韻―文字変換障害:正しい。音列から仮名列を生成する経路の障害である。
4.左手書字:誤り。運動の問題なら漢字だけ正しく書ける乖離にならない。
5.平仮名の方が総画数が多い:誤り。画数より音韻―文字対応の処理差が本質である。
覚えるポイント
漢字優位・仮名劣位では、意味―漢字の語彙経路と音韻―仮名の変換経路を分けて考える。