Y2026M04Q382026年4月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問

エックス線の生体に与える影響に関する知識急性障害・晩発障害

ヒトが一時に全身にエックス線の照射を受けた場合の早期影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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正解: 5

正答

(5)

この問題のポイント

全身1~2 Gyで放射線宿酔が現れ得て、LD50/60付近では主に造血器障害で60日以内に約半数が死亡します。線量上昇に伴い主病態は造血器、消化管、中枢神経系へ移ります。

解説

全身1~2 Gyの急性被ばくでは放射線宿酔が現れ得ます。LD50/60は60日以内に集団の約50%が死亡する線量で、この線量域では主に骨髄の造血細胞障害が関与します。造血器症候群の死亡までは週~月単位で、腸陰窩細胞が障害される消化管症候群の5~20日程度より長くなります。5~10 Gyでは重篤な造血器障害が問題となり、高線量側では消化管障害も加わります。中枢神経系・神経血管系症候群が死亡の主因となるのはさらに高い数十Gy級です。

選択肢の確認

1.1~2Gy 程度の被ばくで、放射線宿酔の症状が現れることがある。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。1~2 Gy程度でも悪心・嘔吐などの放射線宿酔が現れることがあります。

2.被ばくから死亡までの期間は、一般に造血器官の障害による場合の方が、消化器官の障害による場合より長い。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。造血器障害による死亡は、消化管障害による死亡より一般に遅くなります。

3.LD50/60 に相当する線量の被ばくでは、被ばくしたヒトのうち約半数のヒトが、60 日以内に、主に造血器官の障害により死亡する。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。LD50/60では約半数が60日以内に、主として造血器障害で死亡します。

4.消化器官の障害を主因とする死亡までの期間は、5~20 日程度である。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。消化管症候群による死亡は、おおむね被ばく後5~20日程度に起こります。

5.5~10Gy 程度の被ばくによる死亡は、主に中枢神経系の障害によるものである。
× 判定:正答(誤っている記述)。5~10 Gy級の全身線量では、まず重篤な造血器障害が問題となり、高線量側で消化管障害が重なります。中枢神経系障害が死亡の主因となるのはさらに高い数十Gy級です。

覚えるポイント

消化管症候群はおおむね5~20日で死亡へ至り得ます。5~10 Gyは造血器・消化管障害の領域で、中枢神経系症候群が主となるのは数十Gy以上です。

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