第62回理学療法士国家試験 出題予想【2027年】過去600問のデータで選ぶ頻出テーマと予想問題
出題予想|公開: 2026年8月24日|コクシメイク編集部
理学療法士国家試験は毎回200問、第61回の合格率は89.7%と3年連続で89%台です。一般1点・実地3点の傾斜配点ゆえ、頻出テーマの実地問題を落とすと3倍痛い。収録3回・600問の照合から、繰り返し出題されているテーマを予想として整理しました。
この記事では第62回に向けて、数字が「出る」と示すテーマと問題を提示します。予想問題はこのページを離れずにそのまま解けます(無料・解説付き)。
予想の根拠と方法
この予想は、勘や経験則ではありません。コクシメイクが収録する理学療法士国家試験の過去問600問(3回分)を対象に、次の2つを機械的に洗い出した結果です。
- 出題が途切れていないテーマ — 収録している全ての回で出題され続けている分野。出題基準が大きく変わらない限り、次回も出る蓋然性が最も高いグループです
- 再出題の実績がある問題 — 問題文の語彙一致(Jaccard係数0.42以上)で、異なる回に類似問題が実在するペア。一度「焼き直された」問題は、また焼き直される——その観測事例そのものです
もちろん的中の保証はありません。ただ、収録25,161問の再出題率の実測が示すとおり、国家試験の出題は思われているよりずっと反復的です。「次に出るもの」を当てる最も堅実な方法は、「出続けているもの」を数えることだと考えています。
最新の第61回では、200問中40問(20.0%)が収録過去問と重なっていました。おおよそ3〜4問に1問は過去問の延長線上にある計算です。この層を確実に取ったうえで、残りを頻出テーマの周辺理解で拾いにいくのが、この試験の効率的な戦い方です。
再出題の実績がある予想問題10問──この場で解ける
収録データの中で、実際に回をまたいで「もう一度出た」実績のある問題です。 3回目の登場は十分ありえます。そのままここで解答・答え合わせができます(解説付き・登録不要)。
出題実績: 第59回 59AM007 → 第61回 61PM001 で再出題
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準 1995 年)に従って、図のように肩関節の可動域を測定した。 正しいのはどれか。

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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
肩関節の可動域測定において、代償運動の出現を防ぐために必要な注意点が問われています。特に水平屈曲(水平内転)では、肩甲骨の前方突出による誤った動きが測定結果に影響を及ぼすため、その認識が試されます。
解説
図は肩関節の水平屈曲(水平内転)の測定を示しています。この測定では、肩関節を90°外転位(座位)に保ち、上肢を前方へ動かすことで可動域を評価します。このとき、肩甲骨が前方に突出(外転)することで、肩甲上腕関節の動きが代償的に変化し、正確な可動域測定を妨げます。そのため、検査中に肩甲骨の前方突出に注意することが極めて重要です。
検査肢位は座位(90°外転位)であり、側臥位ではありません。参考可動域は135度(非150度)で、移動軸は上腕骨であり、橈骨茎状突起とは関係ありません。基本軸は肩峰を通る矢状面への垂直線であり、烏口突起とは関係ありません。
この問題は、臨床現場でよく見られる「代償運動の認識不足」を問うもので、正確な評価を行うためには、患者の姿勢や代償の有無を常に意識する必要があります。
選択肢の確認
1.検査肢位は側臥位である。:間違っている。検査肢位は座位(90°外転位)である。
2.参考可動域は150 度である。:間違っている。参考可動域は135度である。
3.肩甲骨の前方突出に注意する。:正しい。水平屈曲では代償が生じやすい。
4.移動軸は橈骨茎状突起と肩峰を結ぶ線である。:間違っている。移動軸は上腕骨である。
5.基本軸は烏口突起を通る矢状面への垂直線である。:間違っている。基本軸は肩峰を通る線である。
覚えるポイント
「水平屈曲で肩甲骨の前方突出に注意」は、測定の正確性を確保するための基本的な知識です。代償運動の出現を認識し、その影響を排除することが、臨床評価の信頼性を高める鍵です。
この問題のページ: 第61回 61PM001 / 前回の出題: 第59回 59AM007「関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医…」
出題実績: 第59回 59PM026 → 第61回 61PM032 で再出題
ICF で環境因子はどれか。
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正解: 5
正答
5.訪問リハビリテーションの利用
この問題のポイント
ICF(国際生活機能分類)では、人の機能や活動を理解するため「環境因子」と「個人因子」に分類します。環境因子は、その人が生活する「外的環境」に属し、サービスや支援体制を含みます。本問では、サービスの利用が環境因子に該当することが問われています。
解説
ICFの構造は、人の機能を「健康状態(身体構造・心身機能)」「活動」「参加」の3つのレベルに分け、それらに影響を与える「環境因子」と「個人因子」が背景として存在します。環境因子とは、住環境、支援者、サービス、制度など、個人の外側にある物的・人的・社会的要因を指します。
「訪問リハビリテーションの利用」は、医療サービスや支援制度の提供体制に該当し、その利用は環境に由来するため、環境因子に分類されます。対照的に、屋外の歩行困難は活動の制限、慢性心不全の診断は健康状態、友人の交流は参加、運動意欲は個人の内面的要因に該当します。
選択肢の確認
1.屋外の歩行困難:活動の制限に該当(誤り)
2.慢性心不全の診断:健康状態(身体機能)に該当(誤り)
3.友人とお茶会の開催:参加活動に該当(誤り)
4.運動に対する本人の高い意欲:個人因子(意欲)に該当(誤り)
5.訪問リハビリテーションの利用:環境因子に該当(正解)
覚えるポイント
「サービス・支援・制度の利用」=環境因子、
「本人の意欲・性格・価値観」=個人因子、
「歩行・行動の困難」=活動の制限、
「病態・診断」=健康状態。
この4つを対比して覚えると、誤解を防げます。
この問題のページ: 第61回 61PM032 / 前回の出題: 第59回 59PM026「ICF の環境因子はどれか。…」
出題実績: 第60回 60PM055 → 第61回 61PM059 で再出題
平衡聴覚器で正しいのはどれか。
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正解: 4
正答
4.半規管は頭部の回転運動を感知する。
この問題のポイント
平衡聴覚器の機能を理解するためには、半規管と蝸牛管の役割を正確に区別することが重要です。特に、頭部の回転(角加速度)を感知するのは半規管であり、その仕組みは内リンパの慣性による流れによって成立します。
解説
半規管は耳の内耳に存在する3つの管(上半規管、前方半規管、後方半規管)で、これらは互いに直交した構造を持ち、頭部の回転運動(例えば、頭を左右に回す、前後に傾けるなど)を検知します。回転時に内リンパが慣性で流れ、その流れが半規管内の「膨大部稜」と呼ばれる受容器を刺激し、前庭神経を通じて脳に伝わるため、回転運動を感知します。この過程は「角加速度」に敏感で、急激な動きに反応します。
一方、蝸牛管は音の聴覚に使用され、内リンパの振動(音による基底膜の振動)が刺激となります。前庭(球形嚢・卵形嚢)は直線加速度や重力の変化を耳石(平衡砂)が感知します。したがって、頭部の回転を感知するのは半規管であり、その機能は「回転運動の検出」として明確に定義されます。
選択肢の確認
1.蝸牛管には耳石が存在する。
→ 誤り。耳石は前庭の球形嚢・卵形嚢に存在し、蝸牛管には存在しない。
2.半規管にはコルチ器が存在する。
→ 誤り。コルチ器(ラセン器)は蝸牛管に存在し、半規管には膨大部稜が存在する。
3.半規管は蝸牛神経の支配を受ける。
→ 誤り。半規管は前庭神経に支配され、蝸牛神経は聴覚に関与。
4.半規管は頭部の回転運動を感知する。
→ 正しい。回転運動を立体的に検知する構造である。
5.蝸牛管は内リンパの流れが受容器の刺激となる。
→ 誤り。蝸牛管は音による振動が刺激であり、内リンパの「流れ」は半規管で起こる。
覚えるポイント
「半規管=回転」「蝸牛管=音」「前庭=重力・直線運動」の3つをマスターすると、平衡聴覚器の機能を正確に判断できます。特に、回転運動を感知するのは「半規管」が唯一の正解です。
この問題のページ: 第61回 61PM059 / 前回の出題: 第60回 60PM055「平衡聴覚器で正しいのはどれか。…」
出題実績: 第59回 59AM058 → 第61回 61AM056 で再出題
呼吸器で正しいのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
呼吸器の解剖学において、上気道と下気道の境界を正しく理解し、特に咽頭と中耳の関連性を認識することが重要です。試験では「どの構造が何とつながるか」という具体的な解剖的経路を問うことが多く、耳管(Eustachian管)を通じた交通は臨床的にも重要です。
解説
咽頭(上咽頭)は、耳管(Eustachian管)を介して中耳(鼓室)と連通しています。この経路により、上気道の感染(例:インフルエンザ、鼻咽頭炎)が中耳に波及し、中耳炎を引き起こすことがあります。特に小児では耳管が水平に短いため、感染が容易に中耳に達するため、臨床的にも重要な経路です。この関係は、呼吸器と耳鼻科の連携においても重要です。
選択肢の確認
1.鼻前庭は粘膜で覆われる。
→ 錯誤。鼻前庭は皮膚(重層扁平上皮)で覆われ、粘膜は固有鼻腔以降に存在する。
2.咽頭は中耳と交通する。
→ 正しい。耳管を介して上咽頭と中耳がつながる。
3.喉頭は下気道に含まれる。
→ 錯誤。喉頭は上気道に属し、下気道(気管以降)とは関係ない。
4.気管は第4 頸椎の高さから始まる。
→ 錯誤。気管は第6頸椎付近(輪状軟骨の高さ)から始まり、第4頸椎より高い。
5.気管分岐部は食道の第1 狭窄部にある。
→ 錯誤。食道の第1狭窄は起始部、第2狭窄は気管分岐部付近(大動脈弓の高さ)に当たる。
覚えるポイント
「上気道=鼻腔・咽頭・喉頭」「下気道=気管・気管支・肺」という分類を暗記し、特に咽頭と中耳の経路を「耳管を介して」覚えてください。この知識は、呼吸器系の感染経路や小児の耳の病態理解に直接つながります。
この問題のページ: 第61回 61AM056 / 前回の出題: 第59回 59AM058「呼吸器で正しいのはどれか。…」
出題実績: 第60回 60PM034 → 第61回 61AM070 で再出題
運動軸が1 つの関節はどれか。2 つ選べ。
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正解: 1・2
正答
1・2(腕尺関節、母指IP関節)
この問題のポイント
運動軸の数(自由度)によって関節を分類する問題。1軸(1自由度)の関節は、屈曲・伸展のみが可能で、運動軸が1本に制限される。特に「蝶番関節」と「車軸関節」が該当。本問では、これらの関節が選択肢に現れているかを確認する。
解説
関節の運動自由度は、その関節がどの方向に動きをもたらせるかで決まる。1軸性(1自由度)の関節は、屈曲・伸展のみの運動が可能で、運動軸が1本に制限される。この中で、腕尺関節と母指IP関節は「蝶番関節」として分類され、それぞれが屈曲・伸展のみの1軸運動を可能にする。
一方、示指MP関節は楕円関節で、屈伸と内外転の2軸運動が可能。肩甲上腕関節は球関節で3軸(屈伸・内外転・回旋)の自由度を持つ。橈骨手根関節は楕円関節で屈伸と橈尺屈の2軸運動を可能にする。したがって、1軸性の関節は1・2のみ。
選択肢の確認
1.腕尺関節:蝶番関節で屈伸のみ。運動軸が1つ。正解
2.母指IP 関節:蝶番関節で屈伸のみ。運動軸が1つ。正解
3.示指MP 関節:楕円関節で屈伸+内外転。2軸性。誤り
4.肩甲上腕関節:球関節で3軸運動。誤り
5.橈骨手根関節:楕円関節で2軸運動。誤り
覚えるポイント
「IP関節は1軸、MP関節は2軸」という区別は試験で頻出。特に、母指のIP関節は屈伸のみで、その運動が1軸に制限されるため、1自由度の代表例となる。腕尺関節も同様に、日常的な手の動きでよく見られる1軸関節である。この2つは、運動学の基本的な理解に不可欠。
この問題のページ: 第61回 61AM070 / 前回の出題: 第60回 60PM034「運動軸が1 つの関節はどれか。2 つ選べ。…」
出題実績: 第60回 60PM070 → 第61回 61AM074 で再出題
膝関節で正しいのはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
膝関節の構造において、半月板と側副靱帯の関連性を理解することは、臨床的評価や損傷のメカニズム把握に不可欠です。特に内側半月板の固定機構は、外反や外旋動作で損傷を起こしやすい「unhappy triad」として頻出します。
解説
膝関節では、内側半月板の外縁が内側側副靱帯(MCL)と線維性に結合しています。この結合により、内側半月板は可動性が低く、外反動作(特に膝屈曲時)で圧迫を受けやすく、損傷リスクが高まります。この構造的特徴は、MCL、前十字靱帯(ACL)の損傷を引き起こす「unhappy triad」として重要です。
一方、他の選択肢については以下の通りです。
- 屈曲角度が増すと「転がり運動」が増えるという記述は誤りです。実際には屈曲初期に転がり運動が主であり、進むにつれて滑り運動に移行します。
- 大腿筋膜張筋は膝屈曲位で膝伸展に作用するとは言えず、膝屈曲を補助する役割を持ち、伸展時に作用するとは言えません。
- 内側側副靱帯は幅が広く膜状で、外側側副靱帯(索状・細い)よりも太く、幅が細いとは言えません。
- 膝内旋には大腿二頭筋ではなく、半腱様筋・半膜様筋・膝窩筋などが関与します。大腿二頭筋は外旋に作用します。
選択肢の確認
1.内側半月板は内側側副靱帯と結合している。:正しい。外縁がMCLと線維性結合しており、損傷しやすい。
2.屈曲角度が増すと徐々に転がり運動が増える。:誤り。屈曲初期は転がり、進むと滑り運動に移行。
3.大腿筋膜張筋は膝屈曲位で膝伸展に作用する。:誤り。膝屈曲補助作用であり、伸展補助にはならない。
4.内側側副靱帯の幅は外側側副靱帯に比べ細い。:誤り。内側側副靱帯は幅広く、外側は細い。
5.膝関節内旋に作用する筋は大腿二頭筋である。:誤り。大腿二頭筋は外旋に作用。内旋は半腱様筋など。
覚えるポイント
「内側半月板 → MCLと結合」は、膝の損傷メカニズムを理解する鍵です。外反動作で損傷が起きやすいこと、および「unhappy triad」という臨床的パターンを意識することで、臨床現場での評価・介入に活かせます。
この問題のページ: 第61回 61AM074 / 前回の出題: 第60回 60PM070「膝関節で正しいのはどれか。…」
出題実績: 第60回 60AM091 → 第61回 61AM084 で再出題
Parkinson 病の治療薬はどれか。
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正解: 2
正答
2.L-dopa
この問題のポイント
パーキンソン病は、中脳黒質のドパミン神経細胞が変性し、ドパミンが欠乏する疾患です。この病態の中心的な治療法は、ドパミンの前駆物質であるL-dopaを用いることにより、脳内にドパミンを補う仕組みです。試験で問われる際は、「ドパミンを補う=L-dopa」という直結的な関係を覚えておくことが重要です。
解説
パーキンソン病では、黒質から基底核へ向かうドパミン伝達経路が損傷し、運動機能の低下(静止時震え、筋緊張増加、運動遅延など)が現れます。その治療の第一選択薬がL-dopa(レボドパ)です。L-dopaは血液脳関門を通過し、脳内ではチロシンデリバターゼによってドパミンに変換され、症状を改善します。特に早期から使用することで、運動症状の緩和が顕著です。ただし、長期使用では「wearing-off現象」や「ジスキネジア」といった副作用が現れるため、適切な管理が求められます。
選択肢の確認
1.NSAIDs:解熱・鎮痛作用を持つが、パーキンソン病の治療薬ではない。
2.L-dopa:正解。ドパミンの前駆物で、治療の中心薬。
3.コリン作動薬:アセチルコリンを増加させるが、パーキンソン病ではむしろ抗コリン薬が補助的に用いられる。
4.カルシウム拮抗薬:血圧調整に用いられるが、運動障害の治療とは無関係。
5.セフェム系抗菌薬:感染症治療用で、神経疾患の治療には関与しない。
覚えるポイント
「ドパミンが欠乏 → L-dopaで補う」という因果関係を頭にいれて、他の選択肢との違いを意識すると、確実に正答にたどり着けます。特に、L-dopaが「第一選択薬」という点を確認すると、他の薬剤との区別が明確になります。
この問題のページ: 第61回 61AM084 / 前回の出題: 第60回 60AM091「Parkinson 病の治療薬はどれか。…」
出題実績: 第59回 59AM089 → 第61回 61AM090 で再出題
外傷性脊髄損傷で正しいのはどれか。
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正解: 3
正答
3.高齢者が増加している。
この問題のポイント
外傷性脊髄損傷の発生傾向は、年齢層の変化に大きく影響される。特に高齢化社会において、転倒による頸髄損傷の増加が近年の特徴である。これは、若年層の交通事故やスポーツ外傷とは異なり、高齢者の生活環境や健康維持の課題として注目されている。
解説
外傷性脊髄損傷は、主に交通事故、スポーツ、転倒などによって発生する。発生頻度は、人口100万人当たり約40人/年とされ、100人/年とは言えない。性別では男性に多く、特に頸髄損傷が最も多く、可動性の高い頸椎領域で生じやすい。受傷原因は、若年では交通事故やスポーツが中心で、高齢者では転倒や転落が主な原因となる。近年、高齢者の転倒による頸髄損傷が増加していることから、高齢者に対する予防策の重要性が強調されている。
選択肢の確認
1.女性に多い。:間違っている。男性に多く、発生頻度が高い。
2.腰髄損傷が最も多い。:間違っている。頸髄損傷が最も多く、特に可動性の高い頸椎で生じやすい。
3.高齢者が増加している。:正しい。高齢化に伴い、転倒による頸髄損傷が増加している。
4.労働災害の受傷は増加している。:間違っている。安全対策の進展により、労働災害による受傷は減少傾向にある。
5.発生頻度は人口100 万人当たり約100 人/年である。:間違っている。正確な発生頻度は約40人/年程度。
覚えるポイント
「高齢者→転倒→頸髄損傷」という因果関係を覚えておく。若年層と高齢層の受傷原因を区別し、近年のトレンドとして「高齢者の受傷増加」を核心として記憶すると、この問題の正答を確実に導ける。
この問題のページ: 第61回 61AM090 / 前回の出題: 第59回 59AM089「外傷性脊髄損傷で正しいのはどれか。…」
出題実績: 第60回 60PM074 → 第61回 61AM026 で再出題
運動学習の組合せで正しいのはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
運動学習における「学習の効果的組み合わせ」を正しく識別できるか。特に、学習間の関連性(転移)やフィードバックのタイミング、練習の性質を区別する力が問われている。
解説
運動学習では、過去の経験が新しいスキル習得を促進する「正の転移」が重要です。本問では、ソフトボールの経験が野球の投球動作を早めるというケースが提示されています。これは、類似した動作(投球)をもとにした技能の習得が相互に促進される「正の転移」の典型的な例です。学習の効率を高めるため、関連性のある経験を活かすことが臨床的にも有効です。
一方、他の選択肢は学習理論の誤解を含んでいます。例えば、エラーレス学習は誤りを生じさせないよう段階的に課題を増やす方法であり、計算課題と歩行を同時に行うのは「二重課題」と呼ばれるもので、学習効果を高めるとは言えません。同時フィードバックは動作中にリアルタイムで与えられるもので、動画を終了後に確認するのは「遅延フィードバック」に該当します。パフォーマンスの知識(KP)は動作の質に関する情報(例:姿勢、スピード)であり、荷重の量そのもの(結果)は「結果の知識(KR)」に該当します。メンタル・プラクティスは、実際に動かさず頭の中でイメージを反復するもので、試行錯誤を繰り返すのは「実際の試行」に該当し、誤りです。
選択肢の確認
1.正の転移 ソフトボールの経験が野球の 投球動作の技能向上を早める。
→ 正しい。類似技能の経験が新しいスキル習得を促進する。正の転移の定義に一致。
2.エラーレス学習 トレッドミル歩行練習と 同時に計算課題を行う。
→ 間違っている。これは二重課題であり、学習効率を高めるとは言えない。
3.同時フィードバック バッティング動作時に動画 撮影して終了後に確認する。
→ 間違っている。終了後に確認するのは遅延フィードバック。同時フィードバックは動作中に行われる。
4.パフォーマンスの知識 部分荷重練習時に患側下肢の 荷重量を伝える。
→ 間違っている。荷重量は結果の知識(KR)であり、パフォーマンスの知識(KP)は動作の質に関する情報。
5.メンタル・プラクティス 起居動作練習の時に試行錯誤を 繰り返すと失敗数が減少する。
→ 間違っている。メンタル・プラクティスは試行錯誤ではなく、頭の中でイメージを反復するもの。
覚えるポイント
「正の転移」=類似経験が新しい学習を促進。
「同時フィードバック」=動作中、リアルタイムでフィードバック。
「パフォーマンスの知識」=動作の質(例:バランス、スピード)ではなく、結果(荷重)はKR。
メンタル・プラクティスは「イメージ訓練」であり、実際の動作とは異なる。
この問題のページ: 第61回 61AM026 / 前回の出題: 第60回 60PM074「運動学習で正しいのはどれか。…」
出題実績: 第59回 59PM001 → 第61回 61AM001 で再出題
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準1995 年)に従って左股関節屈曲を行ったところ、疼痛の訴えはないが図のような状態と なったため測定を中断した。 この状態の説明で正しいのはどれか。

解説と出題履歴を見る
正解: 5
正答
5.右腸腰筋の短縮が疑われる。
この問題のポイント
股関節屈曲時の対側下肢がマットから浮く状態は、Thomasテスト陽性と同等の所見です。この状態は、対側の股関節屈筋(腸腰筋)が短縮されていることを示し、特に右腸腰筋の短縮を疑う根拠となります。
解説
左股関節を屈曲させた際に、対側(右)の大腿・下腿がマットから浮き上がっていることから、右側の股関節が過度に屈曲していると判断されます。これは、右腸腰筋(屈曲筋)が短縮(拘縮)しているため、対側下肢が浮く「Thomasテスト陽性」となります。この所見は、股関節屈曲可動域の制限因子として、腸腰筋の短縮を評価する上で重要な診断根拠です。
測定を中断する理由は、対側下肢の浮き上がりが骨盤の代償運動を示しており、正確な可動域評価が困難になるためです。この状態では、骨盤の後傾や移動軸の変化を考慮せず、正確な可動域を評価するためには、対側の筋肉短縮をまず確認することが求められます。
選択肢の確認
1.骨盤を後傾させて測定する。
→ 誤り。骨盤の後傾は代償運動を生じ、見かけ上の可動域を過大評価するため、測定では避けるべきです。
2.基本軸は大転子を通る水平線である。
→ 誤り。基本軸は体幹に平行な線であり、大転子を通る水平線は誤りです。
3.屈曲の参考可動域は150 度である。
→ 誤り。正確な参考可動域は125度であり、150度は誤りです。
4.腸骨大腿靱帯が屈曲制限因子である。
→ 誤り。この靱帯は伸展を制限するもので、屈曲制限とは関係ありません。
5.右腸腰筋の短縮が疑われる。
→ 正しい。対側下肢の浮き上がりは、右腸腰筋の短縮を示すThomasテスト陽性と同等の所見です。
覚えるポイント
「一側を屈曲したとき、対側が浮く → 腸腰筋の短縮」は、股関節評価で必ず覚えておくべき基本的な所見です。特に、Thomasテストは臨床で頻出の評価手法であり、可動域の制限因子を筋肉的要因として捉えるための鍵となります。
この問題のページ: 第61回 61AM001 / 前回の出題: 第59回 59PM001「関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医…」
このリストの使い方
予想リストの正しい使い方は「この10個だけやる」ではなく、学習の優先順位付けです。
- まず上の予想問題をこのページで解く。正解しても、誤りの選択肢がなぜ誤りかまで言えるか確認する — 再出題は問い方を反転してくることが多いため、正解の暗記だけでは半分しか守れません
- 頻出テーマは理学療法士国家試験の分野別演習で周辺問題までまとめて解き、テーマごと固める
- 学習アプリで解けば正誤記録が残り、間違えた問題だけの解き直しがワンタップでできます(登録不要・無料)
時間が限られているほど、確実に出るところから固める価値は上がります。全体の学習設計は出題傾向分析も参考にしてください。
注意事項
本記事は収録データの統計的な傾向に基づく学習用の参考情報であり、実際の出題を保証するものではありません。出題基準の改定や制度改正があった場合、過去の傾向どおりにならない可能性があります。試験の日程・出願・実施要項は必ず公式発表を確認してください。収録データが更新され次第、本記事の予想も再計算して更新します。
よくある質問
第62回理学療法士国家試験の出題予想は当たりますか?
ピンポイントの的中を保証するものではありません。ただし実測では、理学療法士国家試験の最新収録回(第61回)の問題の20.0%が収録過去問と重なる再出題でした。この記事は「全回で出題が続くテーマ」と「再出題の実績がある問題」という、確率の高い側から並べた優先順位リストとして使ってください。
予想問題だけ勉強すれば受かりますか?
いいえ。このリストは学習の優先順位付けのためのもので、出題範囲の代わりにはなりません。予想問題と頻出テーマを最初の足場にして、分野別演習で周辺に広げていく使い方を推奨します。
この予想はいつ更新されますか?
収録データに新しい回が追加され次第、同じ照合方法で再計算して更新します。更新日は記事冒頭に表示しています。