35PM72|第35回 臨床工学技士国家試験 過去問
人工心肺を用いた体外循環中の事象と対処法について誤っているのはどれか。
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正解: 2
正答
2
公式正答は 2 です。正答内容は 代謝性アルカローシス時には炭酸水素ナトリウムを投与する。 です。
この問題のポイント
炭酸水素Naはアルカリ負荷であり、主に重い代謝性アシドーシスを適応・原因と全身状態を考慮して補正する薬剤です。一次的HCO₃⁻増加や酸喪失による代謝性アルカローシスへルーチン投与すると病態を悪化させます。
解説
代謝性アルカローシスは一次的なHCO₃⁻増加、H⁺喪失、Cl⁻・K⁺欠乏などでpHが上昇する病態です。原因薬剤・胃液喪失・利尿薬などを評価し、Cl反応性なら生理食塩液やKCl補充など原因に応じた治療を行います。希塩酸は重症かつ難治性の限定的状況で厳重管理下に検討されるもので、「アルカローシスには塩酸」と一律に覚えません。NaHCO₃投与はアルカリ負荷となるため選択肢2が誤りです。
顕著な溶血ではローラポンプのチューブを過度に圧閉していないか確認し、適正閉塞へ調整します。ヘマトクリット低下では出血だけでなく輸液・回路充填による希釈を考え、水分バランスを確認します。ACTが目標へ延長しない場合は測定・投与経路を確認してヘパリン追加やアンチトロンビン低下を評価します。脱血不良ではカニューレ位置、深さ、屈曲、閉塞などを確認します。
選択肢の確認
選択肢1:溶血が顕著な場合にはポンプチューブの圧閉度を調整する。
正答ではありません(記述は正しい/該当)。 ローラポンプの過度な閉塞はチューブと血球への機械的ストレスを増やし、溶血の原因になります。逆流を防げる適正閉塞へ調整します。
選択肢2:代謝性アルカローシス時には炭酸水素ナトリウムを投与する。
正答(記述は誤りまたは非該当)です。 NaHCO₃はアルカリで、代謝性アルカローシスへ投与すればHCO₃⁻負荷を増します。原因治療とCl⁻・K⁺・容量状態の補正を病態に応じて行います。
選択肢3:ヘマトクリット値の低下時には水分バランスをチェックする。
正答ではありません(記述は正しい/該当)。 Hct低下は出血のほか、回路充填液や輸液による血液希釈でも生じます。入出量と除水量を含む水分バランスの確認が必要です。
選択肢4:ACT が延長しないときにはヘパリンを追加する。
正答ではありません(記述は正しい/該当)。 測定条件や投与経路を確認した上でヘパリン追加を検討します。反応が乏しければアンチトロンビン低下などヘパリン抵抗も評価します。
選択肢5:脱血不良時には脱血カニューレの挿入部位をチェックする。
正答ではありません(記述は正しい/該当)。 カニューレ先端が血管壁へ当たる、位置がずれる、屈曲・閉塞するなどで脱血不良を来すため、挿入位置と回路を確認します。
覚えるポイント
- NaHCO₃はアルカリ負荷で、代謝性アルカローシスへのルーチン治療ではない。
- ローラポンプ溶血では過度な圧閉を疑い、適正閉塞へ調整する。
- ACT不良と脱血不良は、追加操作の前に測定・投与・カニューレ・回路を系統的に確認する。
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