69AM005|第69回 臨床検査技師国家試験 過去問
人獣共通感染症をきたすのはどれか。
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正解: 5
正答
5.エキノコックス〈多包条虫〉
この問題のポイント
寄生虫の生活環にヒト以外の脊椎動物が関わり、動物からヒトへ感染するものを選ぶ問題です。
解説
人獣共通感染症は、ヒトと脊椎動物の間で自然に伝播する感染症です。多包条虫Echinococcus multilocularisによる多包性エキノコックス症では、キツネやイヌなどのイヌ科動物が終宿主となり、その小腸で成虫が寄生します。糞便とともに排出された虫卵を野ネズミなどが摂取すると中間宿主となり、主に肝臓で幼虫が増殖します。ヒトは虫卵で汚染された手指、食物、水などを介して虫卵を経口摂取し、偶発的中間宿主となります。ヒト体内では成虫にならず、幼虫病変が肝内で浸潤性に増殖し、長い潜伏期間を経て腫瘤性病変を形成します。このように野生動物・飼育動物とヒトを結ぶ生活環をもつため、代表的な人獣共通寄生虫症です。ほかの選択肢では、蟯虫とズビニ鉤虫は主としてヒトを宿主とする蠕虫、三日熱マラリア原虫は通常ヒトとハマダラカの間で伝播し、ガンビアトリパノソーマはヒトを主要な保虫宿主としてツェツェバエが媒介します。媒介昆虫が存在すること自体と、人獣共通感染症であることは同じではありません。
選択肢の確認
1.蟯虫:誤り。ヒトが主要宿主で、虫卵の経口摂取や自家感染によってヒトからヒトへ広がります。
2.ズビニ鉤虫:誤り。主にヒト小腸へ寄生し、土壌中で発育した感染幼虫が皮膚から侵入します。
3.三日熱マラリア原虫:誤り。ハマダラカが媒介しますが、通常の感染環はヒトと蚊であり、本問の代表的人獣共通寄生虫ではありません。
4.ガンビアトリパノソーマ:誤り。ツェツェバエが媒介する西アフリカ型睡眠病の病原体で、ヒトが主要な感染源となります。
5.エキノコックス〈多包条虫〉:正しい。キツネなどを終宿主、野ネズミなどを中間宿主とし、ヒトにも感染する人獣共通感染症です。
覚えるポイント
- 多包条虫の終宿主はキツネ・イヌなど、中間宿主は主に野ネズミである。
- ヒトは虫卵を経口摂取して偶発的中間宿主となる。
- 媒介昆虫がいる感染症が、必ず人獣共通感染症とは限らない。
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